「カルチャー・風習」

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ヨーロッパと日本が融合する街並み/クリチバ(ブラジル)

ヨーロッパと日本が融合する街並み/クリチバ(ブラジル)

筆者が2003年より居住しているブラジルの南部パラナ州の州都であるクリチバ市は、日本での知名度は必ずしも高くないものの、人口約190万人を擁する国内主要都市の一つだ。市制が敷かれたのは1693年3月。緑地が豊か、ブラジルの州都の中で年間平均気温が最も低いことなどで紹介されることも多い。 19世紀にはドイツ、ポーランド、イタリア、ウクライナなどからのヨーロッパ移民が流入し、現在でもそうした移民たちの子孫が数多く暮らしている。

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黒田 涼さん「東京にある江戸の〝記憶〟」

黒田 涼さん「東京にある江戸の〝記憶〟」

私の仕事は「まちの記憶」の掘り起こしとそのご案内です。東京のまちは徳川家康が江戸に入ってから400年超、それ以前の江戸城を築城した太田道灌や、「江戸」と言う地名の由来となった江戸氏などの歴史まで遡ると1000年近くの歴史を持つ大変古いまちです。日本には京都・奈良というさらに古いまちがあるので、東京が古いまちだと意識することはあまりありませんが、たとえばアメリカには400年を超えるまちは皆無ですし、ヨーロッパでもこんなに古い首都はそうありません。

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「中国」を感じる 大河を臨む国境の町/ミッチーナ(ミャンマー)

「中国」を感じる 大河を臨む国境の町/ミッチーナ(ミャンマー)

ミャンマー第2都市のマンダレーから列車に揺られて15 時間。北部カチン州の州都ミッチーナに着いたのは、まだほの暗い早朝6時前だった。せわしない貧乏旅のこと、残りの旅程を考えると、この町での滞在時間は8時間ほどである。ミャンマーの田舎町によくある駅前の寂れた茶屋に入り、甘い紅茶をすすっていると、やがて朝日が建物を照らし始め、町の全貌が徐々に現れてきた。

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鶴田 静さん「ビジーな田園エコライフ」

鶴田 静さん「ビジーな田園エコライフ」

青空に浮かぶ金色の朝日が山や森を照射して、木々の葉は銀色に耀いている。金銀にきらめく光や水滴に覆われた緑豊かな庭に出て、ピンクの立葵(たちあおい)の群生や花水木の白い花と一緒に、この大気をからだ中に吸い込みながら心の中で叫ぶ。ああ、なんという至福!

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砂漠の街の不慣れな雨対策/リマ(ペルー)

砂漠の街の不慣れな雨対策/リマ(ペルー)

世界的な気候変動の影響で、砂漠の街リマにもここ数年小雨が降るようになった。しかし、周囲にはいまだ雨対策が講じられていない建物がたくさんあり、ちょっとしたことですぐトラブルになる。例えば雨水用の排水溝がないため、私が暮らすアパートでは、ひとたび雨が降ると吹抜け部分から雨が浸入し、1階が水浸しに。そのため住人は水たまりの上を歩かねばならなかった。そこで吹抜けの天井部分に屋根を取り付けることになったのだが、この工事がなんともお粗末で、想像だにしなかった問題が次から次へと発生した。

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