街のコト

川面に映るもう一つのヨコハマ(横浜市/都橋商店街)

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(ライター:村上 健)

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元町、大桟橋、みなとみらい地区……。オシャレでモダンなイメージの港町横浜ですが、それとはおよそかけ離れた一角が、桜木町近くのまち、野毛にあります。

「変わった形だなあ」。JR「桜木町」駅から徒歩5分、横浜随一の歓楽街を流れる大岡川沿いに、「都橋商店街」という名の細長いビルが護岸にせり出すように立っています。

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灯ともし頃には、仕事の疲れを癒しにやってくる人たちでどの店もいっぱい

商店街といっても、棟割り長屋風の小さな店舗は電気店1軒を除き、すべてバーやスナック、カフェなど飲食店ばかり。できたのは1964年、東京五輪の年です。来訪する外国人を意識し、景観上の配慮で周辺の露天や屋台をここに集めたんだとか。あの当時、東京や横浜に残っていた戦後の匂いが消え、景観が一変しました。そういえば、市川 昆監督の五輪記録映画も、冒頭は東京駅近くのビル解体シーンでした。

果たして4年後の東京や横浜はどんな姿に?ビル2階の立ち飲み店で、ホッピー片手にしばし思いをはせるオジサンでした。

地図

村上 健 Ken Murakami
編集者の仕事の傍ら、各地の風景を描く。著書に『昭和に出合える鉄道スケッチ散歩』『怪しい駅 懐かしい駅』がある。

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月刊不動産流通2016年8月号掲載

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