(OVO オーヴォより)

冬に“蓄えた”脂肪が、そろそろ目立ち出す季節。ダイエットをする時にカロリーを気にする人は多いかもしれないが、カロリー以上に気を付けた方がいい要素があるのをご存じだろうか? それは「糖質」だ。サッポロビールが全国の20〜60代の男女1000人を調査したところ、73.5%の人が基準値(1日当たり男性250グラム、女性200グラム ※1)を上回る量の糖質を摂取していることが判明した。角砂糖に換算(※2)すると、男性は平均で1日当たり約15個、女性では約33個(!)も過剰に取っている。しかも、食生活でカロリーの取り過ぎに注意している人ほど、糖質を取り過ぎているというから、根本的に考え方を見直す必要がありそうだ。
1日に糖質を最も摂取しているのは50代の女性で、なんと約413グラム(角砂糖換算で約104個)だった。この層では、糖質を中心とした間食が多いことが原因として考えられるという。全体平均も約320グラムと、基準値を大幅に上回った。男女どの年代でも半数以上の人が糖質を過剰摂取している“過糖族”で、女性は過剰摂取が最も少ない20代でも77%が取り過ぎの傾向にある。主食の米、パン、麺類以外にも、ちょっとしたおやつのつまみ食いなどが響いているのかもしれない。
皆さんはお茶碗1杯のご飯(150グラム)に含まれる糖質が角砂糖何個分か答えられるだろうか? アンケートでは回答者の平均が4.3個だったが、実はそれよりも3倍以上の13.8個分が含まれている。糖質には意外な落とし穴があり、誤った認識をしている人が多いようだ。たとえば次の組み合わせでより多く糖質を含んでいるのはどちらか考えてみてほしい。シーザーサラダと春雨サラダ。ロールケーキ1切れと塩せんべい2枚。アンケートでは正解率がいずれも35%以下だったが、皆さんはどうだろう? 正解は、春雨サラダ、と塩せんべい2枚。春雨は豆のデンプンから、せんべいはお米から作られていて、実は糖質が高い食べ物。一般的なイメージとは逆のケースも多いので注意が必要だ。
前慶応大学特任教授、栗原クリニック東京日本橋院長で糖尿病治療に見識の深い栗原毅医師は「糖尿病や肥満に悩む多くの人たちは、カロリーに関してはある程度の知識があり注意していても、糖質については意外に知らず、頑張っている割に期待する効果が出ないという傾向があります。ヘルシーなイメージのあるそばやフルーツも実は過糖質な食べ物。ただ、糖質は制限が難しく、過度にコントロールをすることはお勧めしません。キーワードは『難消化性デキストリン』。食事と一緒に難消化性デキストリンを上手に体内に取り込めば、糖の吸収スピードが穏やかになり、血糖値の急激な上昇が抑えられ、過剰な糖質摂取を防ぐことになります」と指摘する。
これからダイエットに挑戦しようとする人は、「カロリー」よりも「糖質」に注意だ!
※1:糖質摂取量の基準値は、栗原医師の提唱する1日あたりの糖質摂取量の推奨値。
※2:角砂糖の換算に関しては、角砂糖1個あたりを糖質4gとして換算。小数点以下を切り捨てて表記。「日本食品標準成分表2010」に基づき算出。