
前回、「冠婚葬祭編」として全国各地の結婚式や仏事に関する変わった風習を紹介した「よそから見ればユニークでビックリ! ニッポンの珍しい風習」。今回は「食文化」にスポットを当て、アンケートで集まった回答の中からいくつかをピックアップし、その地域の出身者のコメントを交えて紹介します!
Q.あなたが今住んでいる地域で、他の地域にはないと思われる珍しい風習があれば教えてください。(自由回答)
北海道 札幌市
「くじら汁を食べる」
正月料理で、お雑煮の代わりに食べますね。脂皮を塩漬けにした切り身をメインに、いろんな野菜を煮込んで作ります。中に入れる食材は地方や家庭によって違うので、その家ごとの味があるんです。(札幌市出身の30代女性)
秋田県 秋田市
「夏はざるラーメンを食べる」
ざるラーメン、またはざる中華とも呼んでいて、東北地方の夏の定番です。中華麺をめんつゆに付けて食べるもので、食堂や中華そば屋などで置いていますよ。また、スーパーでも売っています。ざるラーメンを作っている製麺会社がいくつかあって、ほうれん草を練り込んだ緑色の麺といった個性派も。(秋田県出身の30代女性)
宮城県 仙台市
「お雑煮にハゼ」
お雑煮のダシをハゼで取るんです。うちでは毎年11月から12月くらいにハゼを釣りに行って、干しておきます。年が明けたらそれでダシを取ってお雑煮にしています。(宮城県出身の40代女性)
茨城県 筑西市
「しょうびき餅を食べる」
「塩引餅」と書くんですが、正月にお餅を焼くとき、筑西市やその周辺地域では鮭も一緒に焼き、お餅に挟んで食べます。私はよく海苔で巻いて食べていました。ちなみに理由は分かりませんが、お雑煮より先に食べるのが普通です。(茨城県出身の50代女性)
栃木県 宇都宮市・那須烏山市
「初午のあとにしもつかれを作って食べる」
しもつかれとはこの地方の汁料理で、うちの地域では節分のときに食べていました。砕いた鮭の頭や節分の豆、野菜を具に、大量の大根おろしを加えて煮込むんです。鮭を使うのは、栃木は海に接していないので、保存がきく鮭が重宝されてきたからだとか。給食にもよく出ていました。(栃木県出身の30代女性)
新潟県 新潟市
「夏の食卓に、枝豆が毎日のように出る」
やたら出ますね(笑)。ナイターを見ながら、枝豆をお供にビールを飲む。それが新潟のお父さんの夏の楽しみなんです。(新潟県出身の30代女性)

長野県 北佐久郡
「法事のとき、お茶うけに漬物を食べる」
野沢菜とかが多いですね。長野県でも地域によって違いがあるようですが、北の地方ではほぼ必ず出ると聞きます。(長野県出身の30代男性)
愛知県 名古屋市
「何にでも味噌をかける」
「つけてみそかけてみそ」っていう調味料がメジャーなんです。お肉から豆腐、野菜まで、とにかく何でも味噌をかけて食べますね。(愛知県出身の20代女性)

香川県 高松市
「年越しにうどんを食べる」
年越しといえばそばが定番ですが、香川ではうどんを食べることも多いみたいですね。うちでは、そばとうどん両方食べていましたけど。(香川県出身の20代男性)
高知県 高知市・四万十市
「祝い事のときにさわち料理を食べたりします」
皿鉢で「さわち」と読む、お客さんを呼ぶときに食べる料理。大皿に魚介類のボイルや煮付け、肉料理、巻き寿司などをぎゅうぎゅうに乗せて食べます。手作りが基本ですが、最近は仕出し屋さんやスーパーなどに注文することも多くなりましたね。(高知県出身の20代男性)
地域によって特産の食材があり、料理方法が違えば、食べる頻度やタイミングも違う……この多様性こそが「和食」がユネスコ無形文化遺産に選ばれた理由の一つでもあります。まだまだ数多くある日本の食文化――at home VOXでは今後もたくさん紹介していきたいと思います!
<アンケート調査概要>
対象/全国20〜69歳の男女1,410名(47都道府県各30名ずつ)
調査方法/インターネットリサーチ
調査時期/2014年5月
※アンケート内容の転載にあたりましては、「at home VOX 調べ」もしくは「アットホームボックス調べ」という表記をお使いください。