人気の出張カレーユニット「東京カリ〜番長」メンバーが、季節が薫るスパイシーメニューをお届けする連載「東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー」の第29回。
今回はいつものスパイスカレーからちょっと離れて、何とも春らしいカクテルを3つご紹介! 東京カリ〜番長のバーテンダー主任・ともいさんによる、桜リキュールを使ったかわいらしいカクテルです!
桜リキュールは、桜の花や葉を使って香味を抽出したお酒。抹茶リキュールなどとともに、日本独自のリキュールとして世界でも知られているんだとか。そんな桜のフレーバーが効いたさわやかなカクテルを、今年の花見のお供にぜひいかがですか?
手軽にできる【桜モスコ】
居酒屋などでおなじみのモスコミュールは、ウォッカをベースにしたカクテル。それをウォッカから桜リキュールに変えたのが「桜モスコ」です。桜リキュールとジンジャーエールの甘みにライムの酸味が加わって、とてもさわやかで飲みやすいカクテルです。
ちなみに、モスコミュールとは「モスクワのラバ」の意。本来はロシアの強い酒であるウォッカを使ったカクテルで、飲みやすいからといって調子に乗って飲み過ぎるとラバに蹴飛ばされたように効くところからこの名があるようですが、アルコール度数低めの「桜モスコ」なら大丈夫ですよ。
●材料(1人分)
・桜リキュール:30ml
・ライム:1/8個分
・ジンジャーエール(甘口):適量
■作り方
①ライムを絞って入れる
ライムは両端を切り落とし、縦1/8にカット。コリンズグラスに絞って入れます。
②氷を入れる
③桜リキュール、ジンジャーエールを注ぐ
桜リキュールを注ぎます。次に、なるべく氷に当てないようにジンジャーエールを注いで満たし、軽くステア(混ぜること)します。
ともいさん「ジンジャーエールを注ぐときに氷に当てると、炭酸が飛んでしまうので、なるべく当てないようにしましょう。ステアは、バースプーンを1回転させて持ち上げる程度。混ぜすぎると炭酸が飛んでしまいます」
桜餅を思わせる和風デザートカクテル【なでしこ】
「なでしこ」は、可憐な花の色をしたカクテル。グラスを傾ければ、まるで桜餅を味わっているような風味に満たされることでしょう。
ともいさん「桜餅におけるあんこの代わりにヨーグルトがまったりとした甘みを、グレープフルーツジュースがさわやかさをもたらしてくれます。そのうえアルコールも感じられるという、ちょっと不思議な和風デザートカクテル。ヨーグルトリキュールを使うレシピもありますが、今回は飲むヨーグルトを使った、飲みやすさ重視のレシピです」
【材料(1人分)】
・桜リキュール:20ml
・ライム:1/8個分
・飲むヨーグルト:10ml
・グレープフルーツジュース(100%):30ml
■作り方
①ライムを絞って入れる
縦1/8にカットしたライムを、ロックグラスに絞って入れます。
②氷を入れる

③桜リキュール、飲むヨーグルト、グレープフルーツジュースを注ぐ
桜リキュールを注ぎます。次に、飲むヨーグルト、グレープフルーツジュースを注ぎ、ステアします。
ともいさん「ヨーグルトやミルクは混ざりにくいので、よく混ぜてください。炭酸は入っていないので、混ぜすぎの心配はありません」
爽快感MAX! 桜とミントが香る【桜モヒート】
ヘミングウェイが愛したキューバ生まれのカクテル、モヒート。ラムのコクや甘みにミントの風味とライムの酸味が加わった爽快なおいしさは、世界中で大人気です。
ともいさん「さまざまなフルーツのフレーバーを加えたモヒートもありますが、ラムの代わりに桜リキュールで作るモヒートは珍しいはず。桜とミントが互いの香りを引き立て合い、トニックウォーターの苦味ともマッチ。花見にはもちろん、これからの季節に、シュワっと爽快なおいしさが楽しめます」
【材料(1人分)】
・桜リキュール:30ml
・スペアミント:20枚ほど(6房前後)を基準にお好みで調整
・砂糖:小さじ2
・ライム:1/2個
・トニックウォーター:適量
■作り方
ラムベースの人気カクテル、モヒートの桜リキュール版「桜モヒート」。その作り方を、初めから完成まで動画で紹介します!
①コリンズグラスにスペアミントと砂糖を入れ、バースプーンで軽くつぶすように押さえる
②ざく切りにしたライムを入れ、上からバースプーンで軽く押さえる
③桜リキュールを注ぎ、氷を入れる
④トニックウォーターを注いで満たし、軽くステアする
⑤飾りのスペアミントを添え、マドラーを挿す
【やり方を動画でチェック!】
※下の動画サムネイルをクリックすると、YouTubeに移動します。
ともいさん「ライムは、全部で1/2個分を使用。ここでは、まず1/8サイズに切ったものをいちょう切りにしています。グラスの大きさに合わせて適当なサイズに切ってくださいね。トニックウォーターを注ぐ時は、やはり氷になるべく当てないように気をつけましょう。桜リキュールの代わりに桜シロップを使えば、ノンアルコールの桜モヒートもできます」

【桜カクテルの極意】「氷に当てるな! シュワシュワ炭酸」
ともいさん「さわやかな桜の香りと甘みが特徴の桜リキュール。カクテルにして飲むほか、製菓用に使われることもあるので、初めて桜リキュールを飲むという人でも、すーっと抵抗なく飲めるのではないかと思います。ジンジャーエールやトニックウォーターとの相性も抜群で、さわやかな風味を楽しめますが、注ぐときはくれぐれもなるべく氷に当てないようにしてください。せっかくのシュワシュワが弱くなってしまいますので。応用範囲の広いリキュールなので、いろいろなものと合わせて試してみても楽しいです。満開の桜を愛でながら桜カクテルを味わったら、思う存分、春を満喫できると思いますよ!」
■レシピ考案・監修
東京カリ〜番長
1999年に結成された出張料理集団。全国各地のイベントでカレーのライブクッキングを行うほか、雑誌・書籍でのレシピ紹介、飲食店のメニュー開発を手掛ける。
https://www.facebook.com/tokyocurrybancho