暮らしのコト

東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー

味も見た目も暑気払いにぴったり! 「冬瓜とひき肉のココナッツカレー」

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人気の出張カレーユニット「東京カリ〜番長」メンバーが、季節の旬カレーをお届けする連載「東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー」の第37回。今回は東京カリ〜番長のリーダー、伊東盛さんが「冬瓜とひき肉のココナッツカレー」をご紹介します!

冬瓜は、カットしなければ冬まで日持ちすることから名付けられた夏野菜。体を冷やす作用があるとされ、暑い夏にぴったりの食材です。クセのない冬瓜にふさわしくさらっとした口当たりなのに、ガツンと効いたニンニクの風味、カルダモンの清涼感、重なり合った辛さのハーモニーに、スプーンを持つ右手がついつい止まらなくなる。そんなカレーです。

みずみずしい冬瓜が、夏の暑さに疲れた体をじんわり癒やし、夏バテで食欲がないときでも不思議と食べられてしまうおいしさ! このスパイスカレーで暑気払いをしてみては?

【材料(4人分)】
・ひき肉:250g(鶏もも125g+豚125g)
・冬瓜:1/4玉(600g程度)※下ごしらえで300g程度になる
・タマネギ:中1個
・青唐辛子:1〜2本(10g以内)※大きめのものなら1本、小さめのものなら2本
・ニンニク(みじん切り):2片分
・ショウガ(みじん切り):1片分
・パクチー:1株
・プレーンヨーグルト:大さじ3
・塩:小さじ1
・水:150ml
・ココナッツミルク:400ml
・調理油:大さじ3
〈ホールスパイス〉
・マスタードシード:小さじ1
・カルダモン:8粒
〈パウダースパイス〉
・コリアンダーパウダー:小さじ3(大さじ1)
・ターメリック:小さじ1
・クミンパウダー:小さじ1/2
・ホワイトペッパー:小さじ1/2

■作り方
①素材を切り、冬瓜を下ゆでする
②ホールスパイス、ニンニク、ショウガ、パクチーの根を炒める
③青唐辛子、タマネギを炒める
④ヨーグルトを加えて炒める
⑤パウダースパイスと塩を加えて炒める
⑥ひき肉を加えて炒める
⑦水、ココナッツミルクを加えて煮込む
⑧冬瓜を加えて煮込む

★ココがポイント!★
①素材を切り、冬瓜を下ゆでする

タマネギは粗みじん切り。青唐辛子はヘタを切り落として小口切り。ニンニク、ショウガはみじん切り。パクチーの根はみじん切り、茎と葉はざく切りにします。

冬瓜は皮をむいて切り、下ゆでします。そのときのポイントを動画で確認しましょう!
【やり方を動画でチェック!】
※下の動画サムネイルをクリックすると、YouTubeに移動します。

〈冬瓜の下ごしらえの仕方〉
1.ピーラーで皮を薄くむく
2.食べやすい大きさに切る
3.種とワタの部分を切り落とす
4.皮側に隠し包丁を入れる
5.10分ほど下茹でして、ザルにあげる

伊東さん「冬瓜の下ごしらえは決して難しくありませんが、コツがあります。動画で説明していますので参考にしてみてくださいね。切ったら、水(分量外)に塩少々(分量外)を入れ、冬瓜を加えてから火をつけて茹でます。沸騰して8〜10分ほどで火が通ります」

②ホールスパイス、ニンニク、ショウガ、パクチーの根を炒める

フライパンに調理油を熱し、ホールスパイス(マスタードシード、カルダモン)を炒めます。香りが立ったらパクチーの根、ニンニク、ショウガを加え、青臭さがなくなるまで炒めます。

伊東さん「ニンニクを多めに使っているので、しっかりとニンニクに火が通ってからショウガを加えるのがポイントです」

③青唐辛子、タマネギを炒める

青唐辛子を加えてさっと炒めたら、タマネギを加え、塩少々(分量外)を振り、差し水(分量外)をしながら強火で透明になるまで炒めます。

伊東さん「タマネギを加え、塩を振ってひと混ぜしたら、最初は少し放置してタマネギを焼きましょう。その後、何度か差し水をして少量の湯でゆでるように炒めます。いわゆる“炒め煮”のような感じですね。タマネギは、茶色に焦げたように見えるものがあったり白っぽいものもあったりしても大丈夫。茶色のものはカレーソースと一体化し、白いものは具として存在感のあるものにと、それぞれの役割を果たしてくれます」

④ヨーグルトを加えて炒める

プレーンヨーグルトを加え、水分がなくなるまで炒めます。

伊東さん「ここでトマトを加えるレシピも多いのですが、今回のカレーではヨーグルトを使います。トマトを加えれば仕上がりの色は赤みを増して茶色っぽくなり、コクや酸味が強く濃厚になります。ヨーグルトは赤くならず、さらりとした黄色のカレーになります」

⑤パウダースパイスと塩を加えて炒める

弱火にしてパウダースパイスと塩を加え、よく混ぜ合わせながら2〜3分炒めます。これでカレーの素が完成します。

⑥ひき肉を加えて炒める

ひき肉を加えて中火にし、カレーの素としっかり混ぜ合わせながら、肉が白っぽくなるまで炒めます。

⑦水、ココナッツミルクを加えて煮込む

水を加えて強火で沸騰させ、ココナッツミルクを加えてもう一度しっかり沸騰させます

⑧冬瓜を加えて煮込む

下茹でした冬瓜を加え、弱火で5分ほど煮込んだら完成! 皿に盛り付けてパクチーの茎・葉を散らします。

スパイスカレーの色と材料と風味には、密接なつながりがあるのです。

トマトやカイエンペッパーを使えば色は赤みがついて茶色に近づき、旨味や辛みの強いカレーになります。肉のカレー、特にビーフやマトンのカレーには、このタイプのものが多いです。そしてヨーグルトやホワイトペッパーを使うと、ターメリックの黄色に白さが加わった色になります。コクはやや控えめで、淡白な風味の野菜や魚介のカレーなどによく見られます。

今回、ひき肉を鶏もも肉と豚肉の半々にしたのは、カレーの色を深くしないため。色の淡いカレーでは、鶏肉など白っぽく仕上がる肉で、色のトーンをそろえるのです。

また、タマネギをよく炒めればキツネ色になって旨味や甘みが増しますが、タマネギが透明になる程度の炒め具合にすることで、さらっとした仕上がりにしています。

このように、スパイスカレーの色や風味は、使用する材料や調理の仕方によってコントロールすることができるのです。慣れればイメージしたとおりの色・風味のカレーを自分で作り出すこともさほど難しくありません。

今回のスパイスの配合は
・マスタードシード…1
・カルダモン…1
・コリアンダーパウダー…3
・ターメリック…1
・クミンパウダー…1/2
・ホワイトペッパー…1/2

で、使用スパイスの総量は小さじ7杯ぶんになります。

みずみずしい冬瓜の食感を活かした、さっぱりとした味わいの「冬瓜とひき肉のココナッツカレー」。とはいえ、多めに使ったニンニク、パクチーの根の風味が効いているので食べ応えは十分。青唐辛子のシャープな辛さ、マイルドなホワイトペッパーの辛さが重なり合った重層的な辛さが発汗を誘い、カルダモンの清涼感がのどを通り抜けていき、体感温度が少し下がったような気がするほど!

【番長流・スパイスカレー作りの極意】「イメージ通りのスパイスカレーを作るべし!」
「スパイスカレーをいくつか作ってみると、『スパイスカレー作りって意外とカンタン!』って思えるようになりませんか? 基本的な手順、タマネギを炒めるコツ、スパイス配合の方法、ホールスパイスとパウダースパイスの使い分けなど、スパイスカレー作りのノウハウは、本連載の読者ならかなり身についたのではないでしょうか。あとは、材料と色と風味の関係を把握して、頭の中で思い描いたカレーを作れるようになったら、自由に無限にいろいろなスパイスカレーを自ら創作することができます。ぜひ、オリジナルのスパイスカレー作りに挑戦してみてくださいね!」

■レシピ考案・監修
東京カリ〜番長
1999年に結成された出張料理集団。全国各地のイベントでカレーのライブクッキングを行うほか、雑誌・書籍でのレシピ紹介、飲食店のメニュー開発を手掛ける。
https://www.facebook.com/tokyocurrybancho

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