暮らしのコト

東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー

合言葉は「1:1:3:3」「大根チキンカレー」でスパイス配合の基本をマスター

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人気の出張カレーユニット「東京カリ〜番長」メンバーが、おいしい家カレーの作り方を伝授する連載「東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー」の第27回。

今回は東京カリ〜番長のリーダー・伊東盛さんに、カレーの「スパイスの配合」について詳しく教えてもらいます! さらに、その配合を使った「大根チキンカレー」のレシピもご紹介!

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スパイスは「何十もの種類があって、使い分けや配合には知識が必要で……」と難しいイメージがありませんか? 確かにそういう一面もありますが、まずは基本の4スパイスをおさえておけばOKなのです。あとはその4種類の配合について簡単なルールを覚えておけば、決して難しくありません!

■スパイス配合の基本は「1:1:3:3」

伊東さん「基本のスパイスカレーは、4つのパウダースパイスで作れます。その4つとは、ターメリック、カイエンペッパー、クミン、コリアンダーです。そして、この4つにはおいしいスパイスカレーを作る基本の配合比率があります。それは、ターメリック/1:カイエンペッパー/1:クミン/3:コリアンダー/3です!」

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伊東さん「今回はこの配合比率で、ベーシックなスパイスカレーである『大根チキンカレー』を作ってみましょう」

■スパイスの基本配合で作る「大根チキンカレー」のレシピ

【材料(4人分)】
・鶏もも肉:300g(皮付きで400gが目安)
・大根:200g(4cm程度)
・タマネギ:大1個
・ニンニク(すりおろし):2片分
・ショウガ(すりおろし):2片分
・パクチー:1株
・トマトピューレ:大さじ2
・塩:小さじ1
・調理油:大さじ3
・水:450cc
〈パウダースパイス〉
・クミン:大さじ1(=小さじ3)
・コリアンダー:大さじ1(=小さじ3)
・カイエンペッパー:小さじ1
・ターメリック:小さじ1

■作り方
①鶏もも肉、タマネギ、パクチーを切る
②大根を切り、下ゆでする
③タマネギ、ニンニク、ショウガを炒める
④トマトピューレを加えて炒める
⑤パウダースパイスと塩を加えて炒め、鶏もも肉を加える
⑥水と大根を加えて煮込む
⑦パクチーを加え、煮込んで完成

①鶏もも肉、タマネギ、パクチーを切る

鶏もも肉は皮をはいで、食べやすい大きさに切ります。タマネギ、パクチーは粗みじん切りにします。

②大根を切り、下ゆでする

大根は皮をむいて1cm程度の厚さに切り、8つにイチョウ切りして下ゆでします。
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■下ゆでの仕方

【鍋でゆでる場合】
・鍋に塩水(水600mlに対して塩大さじ1/分量外)と大根を入れ、15分ゆでる。
・ゆで上がったらお湯から取り出しておく。

【電子レンジを使う場合】
・耐熱皿に大根を並べ、1cm程度の高さまで水を入れる。
・米汁(小さじ1/2程度/分量外)を加える。
・ラップをかけて600Wで約6分加熱したら、さっと洗って米汁を落とす。

③タマネギ、ニンニク、ショウガを炒める

フライパンに調理油を入れて強火で熱し、タマネギを塩少々(分量外)ふって炒めます。タマネギが色づいたらニンニク、ショウガを加え、青臭さがなくなって香りが立つまで炒めます。
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伊東さん「タマネギの炒め具合は、写真のように焼けて色づいた部分と色づいていない部分が混在する程度まで。色づいた部分は旨味となってカレーソースになり、色づいていない部分は具となります」

④トマトピューレを加えて炒める

トマトピューレを加えて、中〜強火で水分がなくなるまで炒めます。
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伊東さん「トマトピューレはもともと水分が少ないので、炒めていると短時間で水分がなくなってきます。フライパンを傾けたときに、写真のように油が流れてくるようになればOK。

★ココがポイント!★
⑤パウダースパイスと塩を加えて炒め、鶏もも肉を加える

いったん火を止め、パウダースパイスと塩を加えたら、弱火でよく炒めながら混ぜ合わせます。次に鶏もも肉を加えて、よく絡めながら炒めます。詳しい手順を動画で確認しましょう。
【やり方を動画でチェック!】
※下の動画サムネイルをクリックすると、YouTubeに移動します。
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〈パウダースパイスと鶏もも肉の炒め方〉
1.火を止めて、パウダースパイス(配合比率はターメリック1、カイエンペッパー1、クミン3、コリアンダー3)と塩を加える
2.弱火で1分ほど炒めながらよく混ぜ合わせ、スパイスの香りをしっかりと引き出す。その際にフライパンの底を木べらでこそぐようにして、こげつきを防ぐ。これで“カレーの素”が完成。
3.鶏もも肉を加え、表面がほんのり白くなるまで弱火〜弱めの中火で炒める。カレーの素を鶏もも肉に擦り込むようにして、よく絡める

⑥水と大根を加えて煮込む

水を加えて強火で沸騰させたら弱火にし、下ゆでした大根を加えて、ふたをせずに15分ほど煮込みます。
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伊東さん「ふたをして煮込むと、大根の風味がカレーソースに出過ぎてしまいます。今回のカレーはスパイスの風味を活かしつつ、大根はあくまでもひとつの具として味わうカレーにしたいので、ふたをせずに煮込みます。ふたをしないことで水分が少し蒸発するので、カレー全体の味も深まります」

⑦パクチーを加え、煮込んで完成

パクチーを加え、弱火で2分ほど煮込んだらできあがり!
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しっかりとスパイスが効いた風味。鶏もも肉、炒めたタマネギのコクと旨味。「たった4種類のスパイスで、これほどのスパイスカレーが作れるのか」と驚く人もいるかもしれません。逆にスパイスの数を絞り込んだほうが、ひとつひとつのスパイスが活き、よりインドカレーらしいスパイシーな風味に仕上がるのです!

その基本形となる配合が、今回紹介した「ターメリック/1:カイエンペッパー/1:クミン/3:コリアンダー/3」です。まずは、この配合比率で作るスパイスカレーを習得しましょう。

■スパイスの基本配合にアレンジを加えてみよう

次のステップとして、配合比率を変えてみましょう。その場合のポイントをまとめました。

「ターメリック/1:カイエンペッパー/1」の比率は固定
●残りの「クミン/3:コリアンダー/3」を、合計6になるように割り振る。「クミン/4:コリアンダー/2」や「クミン/1:コリアンダー/5」などにすると、味が変化する
●クミンはガツンとくる強めの風味。コリアンダーは調和のスパイスといわれ、やさしい風味
●思い切って「クミン/6:コリアンダーなし」「クミンなし:コリアンダー/6」にしてみると、その違いがよくわかる

応用編としてはホールスパイスを追加してみましょう。そのポイントはコチラ!

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「ターメリック/1:カイエンペッパー/1」の比率は固定
●残りの「クミン/3:コリアンダー/3」を、合計6の中で調整。たとえば「クミン2、コリアンダー2、クミン(ホール)1、クローブ1/2、カルダモン1/2」など。
●ホールスパイスを追加する場合は比率を最大でも1にとどめておくことが、バランスを損なわないためのポイント

基本の配合とアレンジのルールを覚えたら、具材や好みに応じてさまざまな配合を試してみてください! なお、レシピによってはターメリックとカイエンペッパーの比率も変えてOK! ターメリックを使わないホワイトカレー、辛さが苦手な人のためのカイエンペッパーを使わないカレーなどもあります。

【スパイス配合の極意】「ターメリックとカイエンペッパーの比率はそのまま、その他のスパイス配合を変えてみよう」
「スパイスには色づけ、辛みづけ、香りづけの、3つの役割があります。色づけはターメリック、辛みづけはカイエンペッパー、香りづけはクミンとコリアンダーがその役割を担います。クミン(ホール)、クローブ、カルダモンといったホールスパイスは、いずれも香りづけの役割になります。まずは色づけのターメリックと辛みづけのカイエンペッパーの配合比率を変えず、その他の香りづけスパイスの配合をいろいろと変えて、工夫してみてください。それによって各スパイスの風味や特徴、具材との相性なども、自分の鼻と舌を通して理解が深まっていきますよ!

■レシピ考案・監修
東京カリ〜番長
1999年に結成された出張料理集団。全国各地のイベントでカレーのライブクッキングを行うほか、雑誌・書籍でのレシピ紹介、飲食店のメニュー開発を手掛ける。
https://www.facebook.com/tokyocurrybancho

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