暮らしのコト

東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー

【スパイシードリンク編】「香る薬草酒のホットカクテル」大盤振る舞いの3レシピ

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人気の出張カレーユニット「東京カリ〜番長」メンバーが、香り高くスパイシーな味覚をお届けする連載「東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー」の第26回。

今回はちょっと趣向を変えて、東京カリ〜番長のバーテンダー主任・ともいさんによる香る薬草酒のホットカクテルをご紹介! レシピも「ホットハーブレモネード」「ホットチェリーレモネード」「モミの木とカルダモンのホットカクテル」の3種と大盤振る舞いで、バーテンダー・ともいさんの本領発揮! めくるめく薬草酒の世界へご案内します!

薬草酒とは、おもにヨーロッパで飲まれているハーブ系リキュールのこと。さまざまな薬草や香草を使ったお酒で、中世のころより薬として飲まれていたんだとか。今では香りや苦みを楽しむお酒として広く親しまれています。1種類の薬草酒に数十種類以上のハーブが使われていることも多く、その配合は秘伝になっているものもあるそうです。

日本ではあまり聞き慣れない薬草酒ですが、実はカクテルに使われるカンパリも、薬草酒のひとつなのです。そして今回紹介するカクテルは、

ともいさん「香りや苦みがマイルドなので、飲みにくさを感じることはほとんどないでしょう」

さらに、作り方が非常に簡単なのもうれしいところ。立春を過ぎたとはいえ、まだしばらく寒さは続きそう。香る薬草酒のホットカクテルで、体の中から温まりましょう!

■ホットハーブレモネード

【材料(1人分)】
・ドランブイ:20ml
・シャルトリューズ・ジョーヌ:10ml
・カットレモン:1/8個分
・お湯:150ml前後

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■作り方
①ドランブイを注ぐ
②シャルトリューズ・ジョーヌを注ぐ
③カットレモンを搾る
④お湯を注ぎ、軽くステア(かき混ぜる)する

薬草酒ベースの正統派ホットカクテル

「ドランブイ」と「シャルトリューズ・ジョーヌ」は、薬草酒の代表的な銘柄なんだそう。ベースとなる「ドランブイ」は、古くから作られてきたスコットランドの薬草酒で、「シャルトリューズ・ジョーヌ」は“リキュールの女王”とも呼ばれる、フランスを代表するハーブリキュールです。

ともいさん「3つのホットカクテルの中で、お酒の好きな男性に最もオススメしたいのが、この『ホットハーブレモネード』です。『ドランブイ』は数十種類のスコッチウイスキーにハチミツ、ハーブ、スパイスなどが配合された薬草酒で、その重厚な飲み口から『勇者の酒』とも呼ばれています。『シャルトリューズ・ジョーヌ』は100種類以上のハーブを配合しており、その詳細はシャルトリューズ修道院の修道士しか知らないといわれている秘伝のお酒。『ホットハーブレモネード』はずっしりとしたスコッチウイスキーと数多くのハーブの風味が相まって、なんとも奥行きのある味わいが豊かな余韻を残しながら、のどを通り過ぎていきます」

■ホットチェリーレモネード

【材料(1人分)】
・チェリーヒーリング:30ml
・チナール:5ml
・砂糖:小さじ1
・カットレモン:1/8個分
・お湯:150ml前後

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■作り方
①チェリーヒーリングを注ぐ
②チナールを注ぐ
③砂糖を加える
④カットレモンを搾る
⑤お湯を注ぎ、軽くステア(かき混ぜる)する

薬草酒をチョイ足しして香りを付けるホットカクテル

ベースとなる「チェリーヒーリング」は薬草酒ではなく、サクランボを主原料のひとつとするチェリーブランデー。有名なカクテルであるシンガポール・スリングにも使われており、さわやかな風味が特徴です。

そこにチョイ足しする薬草酒が「チナール」。ワインをベースにアーティーチョーク(和名:チョウセンアザミ)が使われたイタリア産のリキュールで、ハーブリキュールらしい独特のほろ苦さがをもっています。

ともいさん「さわやか風味にほろ苦さのアクセントとレモンの風味が加わって、ベリーを思わせるような香りのホットカクテルです。普段あまりお酒を飲まない女性にもおすすめできる、やさしい風味の一杯といえますね」

■モミの木とカルダモンのホットカクテル

【材料(1人分)】
・リキュール・ド・サパン:30ml
・カルダモン(ホール):2粒
・カットレモン:1/8個分
・お湯:150ml前後

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■作り方
①リキュール・ド・サパンを注ぐ
②カルダモンを加える
③カットレモンを搾る
④お湯を注ぎ、軽くステア(かき混ぜる)する

薬草酒にスパイスをブレンドするスペシャルカクテル

最後はカリ〜番長らしく、スパイスを使ったレシピをご紹介しましょう。「リキュール・ド・サパン」は、フランス・アルザス地方のモミの木の新芽を浸漬・圧搾して作られる、世界的にも珍しいタイプの薬草酒。ドライジンにも似た独特の鮮烈な香りが特徴です。

ともいさん「ホールスパイスのカルダモンを浮かべ、レモンを搾ることで、『リキュール・ド・サパン』の風味がさらに際立ちます。グラスを傾けるうちに、ふとアルザスの森に迷い込んだような錯覚を覚えてしまうかもしれません。このお酒は酒屋ではあまり見かけませんが、インターネットショップを利用すれば入手は難しくありません

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【ホット薬草酒カクテルの極意】「混ぜすぎ禁物! ステアは軽く」
「薬草酒にはクセのあるものもありますが、今回紹介している薬草酒のホットカクテルはほどよく香りが立ち、苦みだけでなく甘みもあるので、なじみやすいものばかりです。しかも、どれもグラスにお酒を注いで、レモンやスパイスなどで風味を整え、お湯で割るだけと、作り方も非常に簡単。ただ、混ぜすぎると冷めてしまうので、あくまでもステアは軽くがポイントです。長い歴史の中で醸成されてきた芳香がゆらゆらとグラスから立ち上るのを楽しんでくださいね」

■レシピ考案・監修
東京カリ〜番長
1999年に結成された出張料理集団。全国各地のイベントでカレーのライブクッキングを行うほか、雑誌・書籍でのレシピ紹介、飲食店のメニュー開発を手掛ける。
https://www.facebook.com/tokyocurrybancho

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