暮らしのコト

東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー

さわやか&スパイシーで夏にピッタリ!「チキンとパプリカのスパイスカレー」

この「記事」が気に入ったらみんなにシェアしよう!

みんなにシェアしよう!

_MG_4337

人気の出張カレーユニット「東京カリ〜番長」メンバーが、季節感たっぷりのカレーを提案する連載「東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー」の第13回。

今回は東京カリ〜番長のリーダー、伊東盛さんが、夏にぴったりのさわやか&スパイシーなカレーを紹介してくれました。基本のチキンカレーに旬のパプリカを合わせた「チキンとパプリカのスパイスカレー」 です。

今、カレールウやカレー粉ではなく、スパイスを使って“スパイスカレー”を作る人が増え、ちょっとしたブームになっています。東京カリ〜番長も、この6月に『世界一やさしいスパイスカレー教室』を刊行。そこで、同書のエッセンスを応用したスパイスカレーの作り方を教えてもらいました。「スパイスで作るカレーって難しそう……」と思ったあなた、決してそんなことはありませんよ!

_MG_4319

『世界一やさしいスパイスカレー教室』水野仁輔(監修)、東京カリ〜番長(著)(マイナビ出版/2016年)

【材料(4人分)】
・鶏もも肉:300g
・パプリカ:2個
・ししとう:2本
・たまねぎ:大1個
・パクチー:1株
・ホールトマト:1/2缶
・にんにく(すりおろし):2片分
・しょうが(すりおろし):2片分
・塩:小さじ1
・砂糖:小さじ1
・サラダ油:大さじ3
・水:400cc
【ホールスパイス】
・クミン:小さじ1
【パウダースパイス】
・コリアンダー:大さじ1.5
・カイエンペッパー:小さじ1
・ターメリック:小さじ1/2

■作り方
①鶏もも肉、たまねぎ、パプリカ、ししとう、パクチーを切る
②クミン、ししとうを炒める
③たまねぎ、にんにく、しょうがを加えて炒める
④ホールトマトを加えて炒める
⑤パウダースパイス、塩を加えて混ぜ合わせる
⑥別鍋で鶏もも肉を焼き、パプリカを炒める
⑦⑥と水、砂糖を⑤の鍋に加えて煮込む
⑧パクチーを加えて煮込む
⑨盛りつけてパクチーを散らす

①鶏もも肉、たまねぎ、パプリカ、ししとう、パクチーを切る

鶏もも肉は、食べやすい大きさに切ります。たまねぎは粗みじん切り、パプリカは小さめの乱切り、ししとうはみじん切りにします。パクチーは茎の部分をみじん切り、葉の部分をざく切りにします。

★ココがポイント!★
②クミン、ししとうを炒める

鍋にサラダ油を入れてクミン、ししとうを加えて炒めます。火力はどのくらいか、投入のタイミングはいつか、動画で解説します。
【やり方を動画でチェック!】
※下の動画サムネイルをクリックすると、YouTubeに移動します。
ahvox_curry_1606_a_thum

〈クミン、ししとうの炒め方〉
1.鍋にサラダ油をひき、中火で熱する
2.クミンを加える
3.クミンが弾け、濃い茶色になってきたら、ししとうを加える
4.ししとうの香りが立ってくるまで炒める

伊東さん「スパイスカレー作りでは、3回に分けてスパイスを使います。1回目がスタータースパイス。炒めることでホールスパイスの香りを油に移し、それがカレーのベースになります。あまり表に出てくる香りではないので、口に入れないと感じない場合が多いのですが、非常に重要な役割を果たします」

③たまねぎ、にんにく、しょうがを加えて炒める

ししとうの香りが立ったら、たまねぎを加えます。強火にして、塩少々(分量外)を振って炒めます。きつね色になったら、にんにく、しょうがを加え、青臭さがなくなるまで炒めます。

伊東さん「にんにく、しょうがの香りが鍋から立ってきたらOKです」

④ホールトマトを加えて炒める

ホールトマトを加え、木べらでつぶしながら、水分が飛ぶまで炒めます

伊東さん「木べらで鍋底や鍋肌をこそぎ落とすようにして炒めます。そうしないと焦げ付いてしまいますので、しっかりと!」

⑤パウダースパイス、塩を加えて混ぜ合わせる

火を弱め、パウダースパイスと塩を加えて、よく混ぜ合わせます。
_MG_4299

伊東さん「2回目のスパイス投入は、たまねぎやトマトを炒めたあとに入れるパウダースパイスです。これがカレーの香りの中心となって、さらに色や辛さを決定します。パウダースパイスを加えたあとは焦げやすくなるので、必ず弱火で炒めてください。粉っぽさがなくなるまで、しっかりと混ぜ合わせることが重要です」

⑥別鍋で鶏もも肉を焼き、パプリカを炒める

別の鍋を用意して、火をつける前に鶏もも肉を、皮面を下にして並べます。並べ終わったら強火で、焼き目がつくまでしっかりと焼き、途中で裏返して焼きます。両面が焼けたらパプリカを加え、さっと炒めます。
_MG_4302

伊東さん「鶏もも肉の皮から脂が出るので、ここでは油をひかずに焼きます。パプリカは煮込む前に炒めることで、風味を引き出します」

⑦ ⑥と水、砂糖を⑤の鍋に加えて煮込む

⑥を⑤の鍋に加えてよくなじませ、水と砂糖を加えます。強火で一度しっかり沸騰させてから、弱火にして10分ほど煮込みます。
_MG_4308

伊東さん『カレーに砂糖!?』と意外に思われる方もいるかもしれませんが、これがなかなか! コクと甘みが効いておいしくなりますよ。それから、一度しっかりと沸騰させてくださいね。沸騰させてから、弱火にして煮込みます」

⑧パクチーを加えて煮込む

パクチーを加え(トッピング用に少し残しておきます)、混ぜ合わせて2分ほど煮込みます。

伊東さん「3回目のスパイス投入は、このタイミングです。仕上げの香りを加えます。今回はパクチーを使いますが、代わりに大葉、カスリメティというスパイス、三つ葉、春菊などを加えてもよいかもしれません。ホールスパイスをテンパリング(※)して加えたり、ガラムマサラを加える場合もあります。ここで入れるスパイスやハーブは、よりダイレクトに香ります
※テンパリング:スパイスを油で熱し、スパイスの香りを油に移すこと。

⑨盛りつけてパクチーを散らす

皿に盛りつけて、パクチーを散らしたら出来上がり!
_MG_4334

パプリカの赤、パクチーの緑が色鮮やかで、見た目にもきれいなカレーです。煮込む前に炒めたパプリカがみずみずしく、噛めばさわやかな甘みがあふれ出します。それと同時に、クミンの香りと、カイエンペッパーのピリッとした辛みが広がります。

今回使っているスパイスは、ターメリック、カイエンペッパー、コリアンダー、クミンの4種類。そのうち辛さを担うのはカイエンペッパーだけ。しかし、ベースとなる油にししとうの香りと辛さがついているので、シンプルながら奥行きのある辛さになっています。

カレールウやカレー粉で作るカレーに比べると、それぞれのスパイスの風味がストレートに活きていて、ちょっと刺激的。梅雨のじめじめや夏の暑さを吹き飛ばしてくれそうな、さわやかでスパイシーなカレーです。

【チキンとパプリカのスパイスカレーの極意】「スパイスカレーのスパイスは、3段階に分けて使うべし!」
「スパイスカレーを作るとき、スパイスを入れるタイミングは3段階あります。
(1)スタータースパイス:調理の初めに、油に香りを移す
(2)パウダースパイス:たまねぎなどベースの具材に混ぜながら炒める
(3)仕上げ:アクセントになる香りを追加して引き立たせる
こうして整理してみれば、スパイスカレーは決して難しくありません。これがスパイスカレーの基本の作り方なので、スパイスを使うタイミングや使い方を覚えてしまいましょう。そうすれば、あとは自分で具材や使うスパイスを工夫してオリジナルのスパイスカレーが創作できるようになって、カレーの世界がますます広がります。ぜひ作ってみてくださいね」

■レシピ考案・監修
東京カリ〜番長
1999年に結成された出張料理集団。全国各地のイベントでカレーのライブクッキングを行うほか、雑誌・書籍でのレシピ紹介、飲食店のメニュー開発を手掛ける。
https://www.facebook.com/tokyocurrybancho

この「記事」が気に入ったら
みんなにシェアしよう!

MATOME