暮らしのコト

東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー

辛さの二重奏が鳴り響くドライカレー「アルゴビ」

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人気の出張カレーユニット「東京カリ〜番長」メンバーが、さまざまなカレーの魅力をお伝えする連載「東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー」の第6回。前回に引き続き、東京カリ〜番長の貿易主任、シャンカール・ノグチさんが 「アルゴビ」 を紹介してくれました。

アルゴビの「アル」はじゃがいも、「ゴビ」はカリフラワーをそれぞれ意味するヒンディー語。つまり、じゃがいもとカリフラワーで作るドライなカレーのことで、インドではとても人気のあるメニューなのです。

水気の少ないカレーなので、ライスよりもナンやチャパティなどと合わせて食べることが多いですが、バゲットもよく合います。

「具が野菜だけのカレーなんて……」と思ったアナタ! 油断していると辛さの二重奏にノックアウトされてしまうかもしれませんよ!

【材料(4人分)】
・じゃがいも(メークイン):6個
・カリフラワー:1/2房
・玉ねぎ:2個
・トマト:2個
・パクチー:2枝
・グリーンチリ:1本
・にんにく(みじん切り):2片
・しょうが(みじん切り):1片
・クミンシード:小さじ1/2
・水:150ml
・塩:小さじ1
・オリーブオイル:大さじ3
【パウダースパイス】
・コリアンダーパウダー:大さじ1
・ターメリックパウダー:小さじ1
・クミンパウダー:小さじ1
・カイエンペッパーパウダー:小さじ1/2

■作り方
①じゃがいも、カリフワラーを切ってゆでる
②トマト、玉ねぎ、グリーンチリ、にんにく、しょうが、パクチーを切る
③クミンシードを炒める
④にんにく・しょうが、玉ねぎを加えて炒める
⑤トマトを加えて炒め、パウダースパイス、塩、グリーンチリ、水を加えて炒める
⑥じゃがいも、カリフラワー、パクチーを加えて炒める
⑦水を加えて煮込む
⑧盛り付けてパクチーを散らす

①じゃがいも、カリフワラーを切ってゆでる

じゃがいもはひと口サイズに、カリフラワーは小房に切り分けてゆでます。なお、カリフラワーのゆで加減は少し固めに!

シャンカール・ノグチさん「カリフラワーはゆですぎると、出来上がったときにくずれてしまいますので、ゆですぎないよう注意しましょう。栄養素も逃げてしまいますよ!」

②トマト、玉ねぎ、グリーンチリ、にんにく、しょうが、パクチーを切る

トマトはざく切り。玉ねぎ、グリーンチリ、にんにく、しょうが、パクチーはみじん切りにします。パクチーは、トッピング用に少し分けておきましょう。

シャンカール・ノグチさん「グリーンチリ(青唐辛子)は種を取らないで、種ごとみじん切りにすることで、フレッシュな辛さが出せます」

③クミンシードを炒める

鍋にオリーブオイルをひいて、強めの中火で温めます。温まったら、クミンシードを加えて炒めます。
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④にんにく・しょうが、玉ねぎを加えて炒める

クミンシードがプチプチとはじけてきたら、にんにく・しょうがを加えて炒めます。香りが立ったら玉ねぎを加えて、強火〜中火で10分ほど、きつね色になるまで炒めましょう。

シャンカール・ノグチさん「前回のマスタードフィッシュカレーと同じく、玉ねぎが焦げそうになったら水大さじ2(分量外)を加えます」

★ココがポイント!★
⑤トマトを加えて炒め、パウダースパイス、塩、グリーンチリ、水を加えて炒める

玉ねぎがきつね色になったら、トマトを加えて炒めます。トマトの炒め方には、このとき、ちょっとしたコツが必要です。

【やり方を動画でチェック!】
※下の動画サムネイルをクリックすると、YouTubeに移動します。
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〈トマトを炒めるコツ〉
・あまりかき混ぜすぎない。ひと混ぜしたら、しばらく放置してから、かき混ぜる
・それを何度か繰り返しながら、トマトをつぶすように木べらでたたき、全体をなじませるように炒める。
・ある程度トマトが溶けてきたら、鍋の真ん中に木べらを使って“道”を作って、水分が戻ってくるようなら、さらに炒める。水分が蒸発してペースト状になり、戻ってこなくなったらOK。

いったん火を消してパウダースパイス(コリアンダーパウダー、ターメリックパウダー、クミンパウダー、カイエンペッパーパウダー)、塩、グリーンチリ、水大さじ2(分量外)を加えて、中火でさらに3分炒めます。ここで、もう一度火を消しましょう。

シャンカール・ノグチさん「ここまでが、基本のインドカレーのベースの作り方なので、覚えてくおくと便利ですよ。このあと投入するじゃがいもとカリフラワーの代わりに、ひき肉を入れればキーマカレー、鶏肉を入れればチキンカレー、ゆでたひよこ豆を入れれば豆カレーが作れます」

⑥じゃがいも、カリフラワー、パクチーを加えて炒める

再び火をつけて中火にし、ゆでたじゃがいもとカリフラワー、パクチーを加えて炒め合わせます。
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⑦水を加えて煮込む

水を加えて沸騰したら弱火にし、ふたをして4分ほど煮込みます。途中、2回ほどふたを開けて、鍋底からかき混ぜましょう。さらに、1分たったら塩で味を調えます。

⑧盛り付けてパクチーを散らす

盛り付けて、みじん切りしたパクチーを散らせば出来上がり!

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アルゴビは汁気の少ない、じゃがいもとカリフラワーがゴロゴロしたドライカレー。肉が入らないのであっさりした味わいかと思いきや、ひと口めを食べた瞬間、その予想は覆されることでしょう。

最初に感じるのは、きつね色になるまで炒めた玉ねぎの甘み。次に辛さが二重奏でやってきます。ひとつは、グリーンチリのシャープでフレッシュな辛さ。もうひとつは、カイエンペッパーパウダーの口の中が熱くなるような、ドライな辛さと香味。2種類の辛さが絡み合って、厚みのあるハーモニーを奏でます。といっても決して激辛ではなく、辛さが苦手な人でもおいしく食べられる、ほどよい辛さです。

そして、炒めたトマトの甘みと酸味や、クミンの風味。さまざまな味が複雑に絡み合いながら、旬のカリフラワー、じゃがいもの味わいもちゃんと伝わってきます。ビールのお供にしても、よく合いそうですね。

【アルゴビの極意】「道が開かれるまで炒めよ。さらば報われん」
「きつね色に炒めた玉ねぎの上に、トマトを加えて炒める。ここからがポイントです。普通の炒めものでは、木べらなどでずっとかき混ぜながら炒めることが多いと思いますが、このカレー作りで大切なのは“放置”すること。かき混ぜたら、放置。また、かき混ぜて放置。放置することで火の通りが速くなり、トマトが溶けてペースト状になります。そして、水分が蒸発してきたら、大胆に鍋の中央に、木べらで道を作ります! ここで水分がもどらずに道ができれば、それこそがおいしいカレーへと続く一筋の道なのです

■レシピ考案・監修
東京カリ〜番長
1999年に結成された出張料理集団。全国各地のイベントでカレーのライブクッキングを行うほか、雑誌・書籍でのレシピ紹介、飲食店のメニュー開発を手掛ける。
https://www.facebook.com/tokyocurrybancho

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