
人気の出張カレーユニット「東京カリ〜番長」メンバーが、あなたをカレーワールドへといざなう連載「東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー」の第3回。
今回は、東京カリ〜番長のアウトドア主任、SHINGO/3LDKさんが登場! 冬においしさと栄養価がアップするほうれん草を使った、インド風のグリーンカレーを紹介してくれました。
グリーンカレーといえばタイのグリーンカレーが有名ですが、インドにも緑色のカレーは存在します。そのひとつがチキンサグカレー。「サグ」とは、ヒンディー語で青菜や、青菜で作ったカレーを使った意味します。
今回のレシピではカレー粉を使用するので、インドカレーではなく、あくまでも「インド風」。なぜなら、インドにはカレー粉が存在しないからですが、そのあたりの詳しいお話は、またの機会に聞かせてもらいましょう!
【材料(4人分)】
・玉ねぎ:大1個
・ほうれん草:1束
・トマトピューレ:大さじ2
・鷹の爪:1本
・クミン(ホール):小さじ1
・カルダモン(ホール):3粒
・カレー粉:大さじ1
・鶏ガラスープ:600㏄
・塩:小さじ1
・サラダ油:大さじ2
・生クリーム:少々
[マリネ用]
・鶏もも肉:300g
・ヨーグルト:200㏄
・トマトピューレ:大さじ1
・にんにく(すりおろし):2片分
・しょうが(すりおろし):1片分
・カレー粉:大さじ1
・塩:少々
■作り方
下ごしらえ
(A)鶏もも肉をマリネする
(B)ほうれん草をペースト状にする
①油にスパイスを加えて熱する
②玉ねぎを加えて炒める
③トマトピューレとカレー粉を加える
④(A)で漬け込んだ鶏もも肉を加えて炒める
⑤鶏ガラスープ、(B)のほうれん草ペースト、塩を加えて煮込む
⑥皿に盛り付け、生クリームをかける
下ごしらえ(A)鶏もも肉をマリネする
ボウルにヨーグルト、トマトピューレ、にんにく、しょうが、カレー粉、塩を入れ、よく混ぜ合わせます。鶏もも肉の皮を取り、ひと口大に切って、2時間~6時間ほど漬け込みます。

SHINGO/3LDKさん「時間に余裕があったら、ひと晩漬け込めばさらにおいしさがアップします。しょうがは皮をむかないほうが、風味がいいですよ」
★ココがポイント!★
下ごしらえ(B)ほうれん草をペースト状にする
ここで、チキンサグカレーのグリーンのもとになる、ほうれん草ペーストを作ります。どのようにして作るのでしょうか。
【やり方を動画でチェック!】
※下の動画サムネイルをクリックすると、YouTubeに移動します。
〈ほうれん草ペースト作りの手順〉
1.鍋に湯を沸かしてほうれん草をゆでる。
2.ざるにとって流水で冷やす。
3.粗熱が取れたらざく切りにする。
4.ミキサーなどでペースト状にする。
SHINGO/3LDKさん「ミキサーでペースト状にすれば、仕上がりは滑らかな食感になります。ミキサーがない場合や、ほうれん草の食感をもっと残したい場合は、包丁でみじん切りにしてもかまいません。そういうスタイルのサグカレーもありますので、お好みに応じてどうぞ」
①油にスパイスを加えて熱する
鍋にサラダ油をひき、クミン、カルダモン、鷹の爪を加えて、中火でよく熱します。前回の「豚バラ肉とチンゲン菜のカレー」と同じ要領です。
SHINGO/3LDKさん「前回のおさらいですが、鍋を傾けて油を1カ所に集め、その中でホールスパイスを熱します」
②玉ねぎを加えて炒める
みじん切りにした玉ねぎを色づくまで炒めます。
SHINGO/3LDKさん「こちらも前回までと同じ、塩と水を入れて短時間で玉ねぎを炒める方法です。炒め方を忘れてしまった人は、前回の記事を参照してくださいね」
③トマトピューレとカレー粉を加える
トマトピューレを加え、さらにカレー粉を加えて、よくなじませます。
④(A)で漬け込んだ鶏もも肉を加えて炒める
漬け込んだ鶏もも肉を、マリネ液ごと鍋に加えます。鶏もも肉の表面に焼き色がつく程度まで、中火で炒めます。
SHINGO/3LDKさん「この段階では、まだ普通のカレーの色をしていますが、次のプロセスで変身します!」
⑤鶏ガラスープ、(B)のほうれん草ペースト、塩を加えて煮込む
鶏ガラスープは顆粒などのものを裏書きにしたがって水で溶き、指定の量を入れます。さらに、ほうれん草ペーストと塩を加えて、ふたをせずに中火で煮込みます。

SHINGO/3LDKさん「鶏もも肉に火が十分通ればOKなので、それほど長時間煮込む必要はありません。目安は10分ぐらいです」
⑥皿に盛り付け、生クリームをかける
皿に盛り付けてから、生クリームをかければ完成です!
4人分にほうれん草を1束使用したチキンサグカレー。ほうれん草のグリーンとカレーのイエローが一体となった見た目に、まったりと濃い味をイメージしますが、ひと口食べて最初に感じるのは、意外にあっさりしたおいしさ。そして、ほどよくピリッとした辛さです。
次に広がるのは、ほうれん草の豊かな風味。鶏もも肉をかみしめるたびに、鼻腔をくすぐって通り過ぎていくスパイシーな風味。あとを引く濃厚なコク……。余韻を味わいつつも、思わず次のひと口を求めてしまうおいしさ。鶏ガラスープの旨味も効いていて、思い出すだけでもゴクリとのどが鳴ってしまいそうです。ぜひ、作ってみてください。
【チキンサグカレーの極意】「なめらかな食感は、ペースト作りから」
「ほうれん草をカレーに使う場合、さまざまな方法があります。盛り付けてからトッピングしたり、他の具材と一緒に炒めて煮込んだり、ゆでた後にみじん切りにして煮込んだり。今回紹介したのは、ほうれん草をペースト状にしてカレーと一体化させるレシピ。最もなめらかな食感を生み出せる作り方です。撹拌の具合によって食感が変わりますので、好みに応じて調節してみてください!」
■レシピ考案・監修
東京カリ〜番長
1999年に結成された出張料理集団。全国各地のイベントでカレーのライブクッキングを行うほか、雑誌・書籍でのレシピ紹介、飲食店のメニュー開発を手掛ける。
https://www.facebook.com/tokyocurrybancho