暮らしのコト

東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー

炒め物の黄金コンビ 「豚バラ肉とチンゲン菜のカレー」

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人気の出張カレーユニット「東京カリ〜番長」メンバーが、旬の食材を使った絶品カレーレシピをお届けする連載「東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー」の第2回。

今回のメニューは、豚バラ肉と旬のチンゲン菜を使ったカレー。前回に引き続き、東京カリ〜番長リーダーの伊東盛さんが紹介してくれました。家庭の炒め物でおなじみの具材ですが、豚バラ肉は厚切りのブロックを切って使用することで、肉の味わいを強調。晩秋の頃に最もおいしくなるといわれるチンゲン菜と合わせて、香り高いカレーに仕立てます。

このカレーのポイントは、なんといっても「ホールスパイスの香り」! ホールスパイスとは、粉状ではなく原型のままのスパイスのこと。今回はクミン、クローブ、カルダモン、鷹の爪を使います。

というと難しそうに感じるかもしれませんが、ご心配なく! 東京カリ〜番長が懇切丁寧にコツを紹介します。

【材料(4人分)】
・豚バラ肉(厚切り) 300g
・玉ねぎ 大1個
・チンゲン菜 1束
・トマトピューレ 大さじ2
・にんにく(すりおろし) 2片分
・しょうが(すりおろし) 1片分
・カレー粉 大さじ1と1/2
・水 650cc
・オイスターソース 大さじ1
・塩 小さじ1
・サラダ油 大さじ2
[ホールスパイス]
・鷹の爪 1本
・クミン(ホール) 小さじ1
・クローブ(ホール) 6粒
・カルダモン(ホール) 3粒

■作り方
①油にスパイスを加えて熱する
②玉ねぎを炒める
③にんにくとしょうが、トマトピューレ、カレー粉を加える
④別のフライパンで豚バラ肉、チンゲン菜を炒める
⑤③の鍋に豚バラ肉、チンゲン菜、調味料を加えて煮込む
⑥煮込んで完成

★ココがポイント!★
①油にスパイスを加えて熱する

鍋にサラダ油をひき、クミン、クローブ、カルダモン、鷹の爪を加えて、中火でよく熱します。これらホールスパイスの香りを油に移し、それを元にしてカレーを作っていくのですが、それにはちょっとしたコツがあります。

【やり方を動画でチェック!】
※下の動画サムネイルをクリックすると、YouTubeに移動します。
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〈ホールスパイスの熱し方〉
1.鍋を傾けて油を1カ所に集め、“深さ”をつくる。その油の中でスパイスを熱する。
2.シュワシュワと泡立ってくるまで加熱する。カルダモンがぷっくりとふくらみ、鷹の爪が黒くなってきたらOK。

伊東さんスパイスの香りが鍋から立ってきたら、それもOKの合図です」

②玉ねぎを加えて炒める

粗みじん切りにした玉ねぎを加えて、塩をひとつまみ入れ、色づくまで炒めます。前回の「4種のきのこカレー」と同じ方法で、飴色になるまで炒めましょう。手順をもう一度、載せておきます。

〈玉ねぎを炒める手順〉
1.玉ねぎ全体に油がまわるように炒める。
2.塩(分量外)をひとつまみ入れる。玉ねぎの水分をとうまみを引き出すため。
3.鍋中の玉ねぎをしばらく放置してから、かき混ぜる。それを繰り返すことで、玉ねぎの色はどんどん飴色に近づいていく。
4.何度かに分けて差し水をする。飴色の焦げ付き(のように見える、うまみの元)を、混ぜて全体に行き渡らせる。

伊東さん「前回のおさらいも兼ねて、同じ手順で玉ねぎを炒めましょう。焦げを恐れるな。果敢に炒めよ!

③にんにくとしょうが、トマトピューレ、カレー粉を加える

にんにく、しょうがを加え、青臭さがなくなって香ばしい香りが立つまで炒めます。トマトピューレを加え、水分が飛ぶまでしっかり炒めたら、カレー粉を加えて弱火に。よくかき混ぜ、なじんだら、いったん火を止めます。

伊東さんカレー粉は焦げやすいので、入れたら弱火にしてくださいね。ホールスパイス+カレー粉の合わせワザで、より味わい深いカレーになります」

④別のフライパンで豚バラ肉、チンゲン菜を炒める

ここで豚バラ肉とチンゲン菜を炒めますが、カレー粉などが焦げてしまわないように、別のフライパンを使います。

8mmぐらいの厚さに切った豚バラ肉を、フライパンに敷き詰めるように並べ、少し焼き目がつくまで動かさず、焼くようにして炒めます。片面に焼き目がついたら、ひっくり返して裏面も。両面に焼き目がついたら、食べやすい大きさに切ったチンゲン菜を加えて、さっと炒めます。

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⑤ ③の鍋に豚バラ肉、チンゲン菜、調味料を加えて煮込む

元の鍋を熱して、炒めた豚バラ肉を加え、鍋中をかき混ぜてなじませます。次にチンゲン菜の軸側を加えてかき混ぜ、さらにチンゲン菜の葉側を加えてかき混ぜます。全体がなじんだら、水、オイスターソース、塩を加えて煮込みます。

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伊東さん具材を加えるたびにかき混ぜて、鍋中のソースをまんべんなくまとわせてください。チンゲン菜はかたい部分を先に投入して、火を通します。オイスターソースで旨味とコクを出します」

⑥煮込んで完成

中火で15分ほど煮込んだら、完成です。

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さらさらとした黄色のカレーに、クミンの粒が見え隠れし、見た目にもカレールウから作ったカレーとはひと味違うことがわかります。漂う香りからも、それが十分に伝わってきます。

中華料理の豚バラ肉とチンゲン菜の炒め物と、ホールスパイスから作るインドの本格カレー。この二つが融合したかのような、ちょっとエキゾチックな風味と新鮮なおいしさ。クミンの風味が食欲をそそります。

その反面、違和感なく舌になじみ、おいしさがしみわたるのは、私たち日本人にとってポピュラーなカレー粉のチカラです。

【豚バラ肉とチンゲン菜のカレーの極意】「鍋を傾け、スパイスの香りを油に移せ!」
「いちばん最初にスパイスを油に入れて熱するのは、ホールスパイスを使ってカレーを作るときの基本的なワザです。ホールスパイスの香りがついた油で、カレーのベースになる玉ねぎを炒め、そこにカレー粉を加える。このカレー粉をパウダースパイスに替えたら、それはもう本格インドカレーの作り方になるんです。今後もたびたび登場してくるキホンの調理法なので、よく覚えておいてくださいね!」

■レシピ考案・監修
東京カリ〜番長
1999年に結成された出張料理集団。全国各地のイベントでカレーのライブクッキングを行うほか、雑誌・書籍でのレシピ紹介、飲食店のメニュー開発を手掛ける。
https://www.facebook.com/tokyocurrybancho

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