at home VOXが全国各地のスーパーに赴き、その土地ならではの商品やユニークなサービスを紹介する「それいけ!ご当地スーパー探検隊」。今回訪れたのは、愛知県豊橋市にある「一期家一笑(いちごやいちえ)」です。
■消費者と生産者をつなぐ「超ローカル」の形
個人経営の「一期家一笑」は、一見、ごく普通の小さなスーパー。けれど、足を踏み入れてまず驚くのが、お店側とお客さんとの間のコミュニケーションの多さです。
「こんにちは、調子はどう?」
「今日はこんなことがあってね……」
店内には笑顔と会話が満ちあふれています。
また、お客さんだけでなく、地元の生産者の方々も大切にしたい、というのが一期家一笑のポリシー。売り場の商品には、それぞれに手づくりのPOPが貼られ、どんな人が作ったのかが消費者に伝わるような仕掛けになっています。お客さんに作り手の存在を身近に感じてもらうとともに、ていねいに作られた地元商品の良さも知ってもらいたい、というのがお店の願いです。
どこで、どんな人が作ったのかがわかりやすいから、安心して買えるし食べられる。一期家一笑の掲げる「超ローカル」とは、商品の流通から消費まで、限りなく地元に密着したサービスを行うことなのです。
■地元愛に満ちたプライベートブランド
地元密着の「一期家一笑」のスタイル。お店では、買い付けを担当する三代目・杉浦大西洋(すぎうら・ひろし)さんが発起人となり、生産者の方たちと協力して生み出した、プライベートブランド「ニッポンローカルフード」も展開しています。
三河湾に注ぐ豊川の上流にある「奥三河」地方の名産品の数々が、もっと多くの食卓に届いてほしい、という思いから始まったこのプロジェクト。素材の選定から製造、あたたかみのあるラベルの手書き文字にもこだわった、地元への愛情が光る品々です。
これからゆっくりと、「ニッポンローカルフード」シリーズの商品を増やしていきたい、とのことでした。
■手づくりのお惣菜もチェック!
そして、店内のもう一つの特徴が、盛りだくさんのお惣菜コーナー。主婦歴数十年、というベテランスタッフの方々が、売り場に並ぶものと同じ素材を使って作るおかずやお弁当は、まさに「おふくろの味」です。お昼時は近隣のサラリーマンやOLに、夕食時には家庭の食卓にと、シーンに合わせて広い世代に愛されているそう。
ずらり並んだお惣菜は、すべて「一期家一笑」の店内で作られたもの。厨房にもお邪魔させていただきました。
杉浦「うちは大きなスーパーのような品揃えはないですが、その分、人と人とのつながりを大切にしたいと思っているんです。お客さんや、生産者の方との顔の見える付き合いを追求できるのは、小さいスーパーならでは。いつも笑顔で働いてくれるスタッフを含め、一期家一笑にとっては『人』が大事な宝物です」
気さくな接客や、素朴なお惣菜の味に、いつ訪れてもホッとする。お客さんと生産者との架け橋になる超・地域密着経営のあたたかさが、「一期家一笑」の魅力の源なんですね。
- 店舗情報一期家一笑
住所:豊橋市下地町境田67-3
営業時間:10:00~20:00(日曜定休)
http://ichigoyaichie.jp - 次回予告次回は、青森県「マエダ」をご紹介します!
※記事中の情報・価格は取材当時のものです。