
人気の出張カレーユニット「東京カリ〜番長」メンバーが、季節に合うスパイシーなおいしさをお届けする連載「東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー」の第34回。
今回は、東京カリ〜番長のバーテンダー主任・ともいさんに、梅雨時のジメジメを吹き飛ばす爽快なスパイシービアカクテルを紹介してもらいました!
ビールをベースにしたビアカクテルに、パウダースパイスをプラスした3つの“スパイシービアカクテル”。そのどれもが、想像を超えるマジカルな変身っぷり。飲んでビックリのおいしさです。
ビール好きな人にはもちろん、ビールが苦手な人にも一度チャレンジすることをオススメしたいほど! 使用するのはコンビニなどで買える一般的なビールから、好きな銘柄でOK。慣れ親しんだビールがどんなふうに化けるのか、ぜひチェックして試してみてください!
■パインの味でスッキリ飲みやすい「シナモンパインビア」

【材料(1人分)】
・ビール:グラス1/2程度
・パイナップルジュース:グラス1/2程度
・シナモン(パウダー):少々
■作り方
①グラスにシナモンパウダーを入れる
②ビール、パイナップルジュースの順に注ぎ、軽くステアする
グラスの半分をビールで、残りの半分をパイナップルジュースで満たしたら、バースプーンで少しステア(混ぜること)します。
ともいさん「グラスは手に持たず、置いたまま真ん中に注いでいくことで、ビールとジュースが混ざり合います。パイナップルジュースは濃いめで味のしっかりとしたものを使うと、おいしくできますよ」
③泡に飾りつけのシナモンパウダーを浮かべて完成

ビールが苦手な人にも飲みやすいトロピカル風味のカクテル
ビールを同量のパイナップルジュースで割り、シナモンパウダーで香りづけをするだけの簡単カクテル。でも、ビールの苦みや炭酸がうまく作用して、パイナップルジュースをすっきりとしたオトナ風味に変えてくれます。“ビール感”はあまり強くないので、ビールが苦手な女性でもおいしく飲めるビアカクテルです。
ともいさん「シナモンが苦手な方は、シナモンなしのパインビアでも十分おいしく飲めます。ビールの代わりにノンアルコールビールを使えば、ノンアルコールのビアカクテルになりますよ!」
■ダブルの苦味が大人の味わい「カンパリコリアンダービア」

【材料(1人分)】
・カンパリ:10ml
・ビール:適量
・コリアンダー(パウダー):少々
■作り方
①グラスにコリアンダーパウダーを入れる
②ビール、カンパリを注ぎ、軽くステアして完成

苦みの二重奏を楽しむルビーレッドのビアカクテル
透き通った美しいルビーレッドのカクテルは、ビールとカンパリ2つの苦みを重ねた味わい。カンパリの苦みからビールの苦みへ、スーッと舌の上でグラデーションが描かれていきます。カンパリの甘みがほどよく抑えられた、さわやかテイスト。お酒の好きな方にオススメしたい一杯です。
ともいさん「もともとカンパリにはコリアンダーが使用されています。コリアンダーパウダーを加えることで、その柑橘系の風味をちょっととがらせたシャープな味になるんです」
■ベルギービールのような重厚な味わい「胃にやさしいクローブビア」

【材料(1人分)】
・クロイタートロプフェン:10ml
・ビール:適量
・クローブ(パウダー):少々
■作り方
①グラスにクローブパウダーを入れる
クローブの量はお好みで構いませんが、香りが強いので入れ過ぎに注意。
②ビール、クロイタートロプフェンを注ぎ、軽くステアして完成

ともいさん「よく泡立つので、最後に再びビールを注いで泡を足すと、完成写真のように泡をこんもりと盛ることができます」
どっしりとしたクラフトビールのような味わい
クロイタートロプフェンとはドイツの薬草酒。クロイターは「ハーブ」、トロプフェンは「しずく」という意味。胃によいとされるハーブを集めてつくられた酒で、以前は『マーゲントロプフェン』(胃のしずく)という名でした。その風味がビールと溶け合って、ある種のベルギービールのように重厚な甘みと苦み、奥行きを持った味わいになります。
ともいさん「クロイタートロプフェンにはクローブやジンジャーなど多くのハーブが使われており、このカクテルではパウダースパイスを加えてクローブの風味を強調しています。ややクセと苦みの強い薬草酒ですが、ビールとよくなじんで深い味わいを生み出します」
【スパイシービアカクテルの極意】「薬草酒に含まれるスパイスの風味を強調!」
「紹介した3種のビアカクテルのうち、カンパリコリアンダービア、胃にやさしいクローブビアには薬草酒を使用しています。パウダースパイスで薬草酒に含まれているスパイスの風味を強調し、とがらせることで特徴的な風味のビアカクテルにまとめています。この方法で、薬草酒に使われている他のいろいろなスパイスを試しても楽しいと思います。また、シナモンパインビアは薬草酒を使っていませんが、パイナップルと相性のよいシナモンを加えることで、より豊かな味わいになります。カレー作りのために購入したスパイスを、そんなふうに活用するのも楽しいもの。気軽に挑戦してみてくださいね!」
■レシピ考案・監修
東京カリ〜番長
1999年に結成された出張料理集団。全国各地のイベントでカレーのライブクッキングを行うほか、雑誌・書籍でのレシピ紹介、飲食店のメニュー開発を手掛ける。
https://www.facebook.com/tokyocurrybancho