人気の出張カレーユニット「東京カリ〜番長」メンバーが、家庭で作れるスパイシーなおいしさをお届けする連載「東京カリ〜番長直伝！ 春夏秋冬カレー」の第32回。
今回は、東京カリ〜番長のバーテンダー主任・ともいさんによる、「ビターズ」（苦味酒）を使ったさわやかなカクテルを2種類ご紹介します！
「ビターズ」とは、複数の薬草・香草・樹皮・スパイスを漬け込んで作られる苦みの強いリキュール。カクテルに苦みや香りをつけるのに使われるもので、バーには必ず1、2種類置かれているのだそうです。薬草酒ベースのカクテルにビターズを加えることで香りと苦みを重ねれば、さらに奥行きの深い風味が楽しめます。
今回は「ボブズ・ビターズ」のコリアンダービターズとカルダモンビターズを使用した、「コリアンダースーズトニック」「薬草酒とカルダモンのカクテル」の作り方を紹介します。初夏にぴったりの“スパイスビターズカクテル”が、簡単にできますよ！
■コリアンダースーズトニック
【材料（1人分）】
・スーズ：30ml
・コリアンダービターズ：2滴
・ライム：1/8個分
・トニックウォーター：適量
・コリアンダー（ホール）：3粒
■作り方
①ライムを絞って入れる
ライムは両端を切り落とし、縦1/8にカット。コリンズグラスに絞って入れます。
②氷を入れる
氷は家庭の冷蔵庫で作ったものでも構いません。
③スーズ、ビターズ、トニックウォーターを注ぐ
スーズを注ぎ、ビターズをたらします。次に、なるべく氷に当てないようにトニックウォーターを注いで満たし、軽くステア（かき混ぜること）します。
④コリアンダーを潰して加える
コリアンダーを乳鉢などで潰して加えたらできあがり。
“黄色いカンパリ”＋コリアンダービターズ
スーズは、ゲンチアナという野生リンドウの根を主原料とする薬草酒で、“黄色いカンパリ”と呼ばれるフランスの代表的なハーブリキュールです。スーズには消化を促進する効果があるといわれ、現地では食前酒として飲まれています。ピカソが愛した酒としても有名で、スーズのボトルを描いた作品もあるほど。
ともいさん「清涼感あふれるスーズのトニックウォーター割りは人気の飲み方で、それにコリアンダービターズをプラスすれば、より豊かな香りが楽しめます。トッピングしたコリアンダーは混ぜずに飲みます。潰したコリアンダーを噛むと、柑橘類に似たさわやかな香りが広がります」
■薬草酒とカルダモンのカクテル
【材料（1人分）】
・ジン：10ml
・ベネディクティンDOM：20ml
・カルダモンビターズ：2滴
・ライム：1/8個分
・トニックウォーター：適量
・カルダモン：1粒
■作り方
①ライムを絞って入れる
縦1/8にカットしたライムを、コリンズグラスに絞って入れます。
②氷を入れる
氷は家庭の冷蔵庫で作ったものでも構いません。
③ジン、ベネディクティンDOM、ビターズを注ぐ
ジン、ベネディクティンDOMを注ぎ、ビターズをたらして、軽くステアします。
④トニックウォーターを注ぐ
なるべく氷に当てないようにトニックウォーターを注いで満たし、軽くステアします。
⑤飾りを添える
カクテルピンにカルダモンとライムを挿して添えます。
“世界最古のリキュール”＋ジン＋カルダモンビターズ
ベネディクティンが誕生したのは1510年、フランス北西部ノルマンディー地方にあったベネディクト派の修道院。なんと500年以上の歴史を持ち、レシピが現存するものとしては“世界最古のリキュール”といわれています。多種の薬草・スパイス類を使用し、長寿の秘酒として開発されました。
ともいさん「ベネディクティンは濃厚な甘みが特徴ですが、薬草酒らしいクセがあって、そのままではやや飲みにくいんです。それを飲みやすくしてくれる方程式が、ジン＋トニックウォーター＋ライムで割る飲み方です。そこにカルダモンビターズを加えることで香りを足し、苦みで全体を引き締めています」
【スパイスビターズカクテルの極意】「ビターズでカクテルに香りと苦みを！」
「スパイスは水に溶けないので、実はカクテル向きではありません。トッピング的にパウダーや砕いたホールを振りかけたりすることはできますが、ドリンクそのものに香りや苦みを加えるなら液体のビターズが最適。手軽により豊かな風味を楽しめます。たとえばジントニックにビターズをたらすだけでも風味の変化を楽しめますよ。あるいは、トニックウォーターにビターズをたらすだけでも、さわやかなドリンクになります。また、薬草酒が余ってしまったときは、ぜひ『薬草酒とカルダモンのカクテル』のように、ジン＋トニックウォーター＋ライムで割る飲み方を試してみてください。格段に飲みやすさがアップして、さらにビターズを加えればより風味豊かに楽しめますよ！」
■レシピ考案・監修
東京カリ〜番長
1999年に結成された出張料理集団。全国各地のイベントでカレーのライブクッキングを行うほか、雑誌・書籍でのレシピ紹介、飲食店のメニュー開発を手掛ける。
https://www.facebook.com/tokyocurrybancho
