
人気の出張カレーユニット「東京カリ〜番長」メンバーが、手軽に作れる季節のカレーを紹介する連載「東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー」の第30回。
今回は東京カリ〜番長のバーテンダー主任・ともいさんが、「タケノコとマンゴーのバターチキンカレー」を紹介してくれました。
バターチキンカレーは、インド料理レストランで人気ナンバーワンのメニュー。老若男女を問わず、誰からも親しまれているインドカレーです。その秘密は、バターや生クリームなど乳製品のコクとクリーミーな味わい。
今回は、そんなバターチキンカレーに春の味覚・タケノコとフルーツのマンゴーをプラスアルファ。タケノコの食感とマンゴーの甘みが加わって、さわやかなおいしさに仕上がりました。
「マンゴーを使ったカレーなんて、作るのが難しそう……」という人もご安心を。スパイスカレー初心者にもやさしいシンプルなレシピでありながら、しっかり本格派の味わいに仕上がりますよ!
【材料(4人分)】
・鶏もも肉:400g
・タケノコ(水煮):50g
・マンゴー(スライス/缶詰):50g
・ニンニク(すりおろし):1片分
・ショウガ(すりおろし):1片分
・トマトピューレ:200ml
・ピーナッツバター:大さじ1
・生クリーム:200ml
・牛乳:350ml
・水:100cc
・バター:30g
・塩:小さじ1
【パウダースパイス】
・クミン:大さじ1
・コリアンダー:小さじ1
・ホワイトペッパー:小さじ1/2
・カイエンペッパー:小さじ1/2
【ホールスパイス】
・カスリメティ(ドライリーフ):小さじ2×2
■作り方
①材料を切る
②バターでニンニク・ショウガを炒める
③ ②にトマトピューレを加える
④ ③にパウダースパイス、カスリメティ、塩を加える
⑤鶏もも肉を加えて炒める
⑥牛乳、水、タケノコ、マンゴー、ピーナッツバターを加えて煮込む
⑦カスリメティを加える
⑧生クリームを加えて煮込み、味を整える
⑨盛り付けてカスリメティを散らす
①材料を切る
鶏もも肉はひと口大に切り、マンゴーはざく切り、タケノコはスライスします。
★ココがポイント!★
②バターでニンニク・ショウガを炒める
③ ②にトマトピューレを加える
④ ③にパウダースパイス、カスリメティ、塩を加える
溶かしたバターで材料を炒め、バターチキンカレーのベースを作っていきます。ポイントとなるこのプロセスを、動画で一気に紹介します。
【やり方を動画でチェック!】
※下の動画サムネイルをクリックすると、YouTubeに移動します。
〈バターチキンカレーのベースの作り方〉
②バターでニンニク・ショウガを炒める
焦がさないように弱火でバターを熱し、完全に溶けたらニンニク・ショウガを加えて、中火で青臭さがなくなるまで炒めます。
③ ②にトマトピューレを加える
トマトピューレを加えたら強火にし、水分が飛ぶまで炒めます(沸騰したら火力を適宜調整しながら)。
④ ③にパウダースパイス、カスリメティ、塩を加える
弱火にしてすべてのパウダースパイス、カスリメティ(小さじ2)、塩(小さじ1)を加え、混ぜ合わせます。
ともいさん「バターは焦げやすいので油断しないでくださいね。弱火で注意深く、完全に溶かしてください。ニンニク・ショウガを加えたら中火に。トマトピューレを加えたら強火に。スパイスを加えるときは弱火に。工程ごとに火力を適切にコントロールしながら炒めましょう」
⑤鶏もも肉を加えて炒める
鶏もも肉を加えて強〜中火で、焦げつかないようにかきまぜながら炒めます。
ともいさん「鶏もも肉を炒めていると、だんだん脂が出てきます。写真で白っぽく光って見える部分がそれ。この脂が出てきたら、次に進んでOKのサインです」
⑥牛乳、水、タケノコ、マンゴー、ピーナッツバターを加えて煮込む
牛乳、水、タケノコ、マンゴー、ピーナッツバターを加えて強火にします。沸騰したら弱火にし、ふたをせずに15分ほど煮込みます。
ともいさん「ピーナッツバターを加えると、甘みとまろやかさがついて、よりクリーミーに仕上がります」
⑦カスリメティを加える
カスリメティ(小さじ2)を加えて、なじむまでよくかき混ぜます。
ともいさん「カスリメティは④でも加えましたが、ここでもう一度加えることで、さらに香りを強調します。バターチキンには、カスリメティがよく合うんです。風味がグッと豊かになり、奥行きの深い味になりますよ。お好みでもっと多く入れてもOKです。ただ、あまり入れすぎると苦くなるのでご注意ください」
⑧生クリームを加えて煮込み、味を整える
いったん火を止めて、生クリームを加えます。かき混ぜながら弱火で数分ほど煮込んだら、塩・砂糖(いずれも適宜/分量外)で味を整えます。
ともいさん「生クリームを加えるときは、ダマになるのを防ぐため必ずかき混ぜながら加えましょう。煮込む最中も、かき混ぜてくださいね」
⑨盛り付けてカスリメティを散らす
器に盛り、カスリメティ(少々/分量外)を散らしたら完成です!
バターチキンカレー特有の芳香が、たまらなく食欲をそそります。この香りの中心はカスリメティ。種がフェヌグリーク(またはメティ)というスパイスになる植物の葉の部分を乾燥させたものです。甘い香りとやや苦味のある風味が、トマトベースのカレーによく合います。
ひと口ほおばれば、トマトの酸味、マンゴーの甘み、スパイスの香りとほのかな辛み、そして乳製品とピーナッツバターの圧倒的なコクと旨味が、舌の上に広がります。重層的な風味の中、シャキッとしたタケノコの食感がみずみずしく、春を感じさせてくれます。
数あるインドカレーの中でも、もっとも日本人の口に合うといわれるバターチキンカレー。マンゴーの風味を効かせたマイルドな味わいで、スパイスを効かせながらも辛みは控えめ。子どもでも安心して食べられるので、ぜひご家族おそろいで味わってみてください。
【タケノコとマンゴーのバターチキンカレーの極意】「火加減のメリハリでカレーはおいしくなる!」
「バターチキンカレーには、他の多くのスパイスカレーと違う点がいくつかあります。たとえば、バターで作り始めることやタマネギを使わないこと。サラダ油などでタマネギを炒める場合は強火でガンガン炒めますが、それに対してバターチキンカレーは火力を繊細にコントロールする必要があります。焦げやすいバターを溶かすときは弱火。ニンニク・ショウガを加えたら中火。トマトピューレを加えたら強火で水分を飛ばす。パウダースパイスを炒めるときは弱火。鶏もも肉を炒めるときは強〜中火……といった具合です。どのようなカレーでも火加減は大切ですが、バターチキンカレーでは特にそのコントロールが重要。ぜひ動画も参考にしていただいて、おいしいバターチキンカレーを作ってくださいね!」
■レシピ考案・監修
東京カリ〜番長
1999年に結成された出張料理集団。全国各地のイベントでカレーのライブクッキングを行うほか、雑誌・書籍でのレシピ紹介、飲食店のメニュー開発を手掛ける。
https://www.facebook.com/tokyocurrybancho