(OVO オーヴォより)

人間と同様に、ペットでも進む高齢化。大好きなペットが長生きしてくれるのはもちろんうれしいことです。でも動物だって老いると体力がなくなってくるし、病気にもかかりやすくなります。長い期間病に伏せるということもあります。そしてその面倒をみるのはやはり飼い主。なかにはペットの晩年の長い期間、ずっと看病にかかりきりということも。
最近、全国各地に「老犬ホーム」と呼ばれる施設ができています。体力がなくなったり病気になったために介護が必要になった犬を引き取り、日常のお世話と必要な看病をしてくれる施設です。「犬を飼うのが大変になったからといって、人にまかせるなんて無責任!」という声はあります。最後まで責任を持って飼ってあげるのはもちろん飼い主の責任です。でも老犬・老猫介護は精神的にも体力的にも、そして経済的にも負担です。新しいペットを迎え入れたいけれど、大変だった老犬の介護のことを思い出すと飼うのを躊躇してしまう・・・そんな残念な声もよく聞きます。それに、飼い主が仕事や家庭のことに追われながら、細切れに看病するよりも、専門の知識と経験をもったスタッフが常時お世話をしてくれるほうが、犬にとっては良いことかもしれません。最後まで大事に飼ってあげたいのであれば、老犬ホームはやはり検討の余地はあるでしょう。
そんな老犬ホームですが、最低でも犬1頭につき月額4〜6万円程度から。それ以外に入所の際に数十万円〜数百万円の入所料が必要になることも多いようです。さらに医療費は実費を負担するのが一般的です。やはり安くはありません。
病気治療のための医療費や高齢犬用のフード代、それに老犬ホームの費用。ペットが高齢になるとお金もかかるようになってきます。自分のペットがこれからどんな風に老いていくのか、そしてその負担をどうするか。長い目で将来を見据えて、愛犬や愛猫にとって一番幸せな生活を考えてあげるのが、ペットの飼い主の本当の責任かもしれません。
藤谷玉郎(ふじやたまお)
一般社団法人ふくしまプロジェクト理事
東北大学大学院卒業。福島県庁・秋田県庁を経て2014年4月より現職。東日本大震災後に被災地派遣で福島県庁に出向し動物保護行政に携わる。その当時の日々をブログ「福島日記」に記録。
web:http://fukushimaproject.org/
ブログ「福島日記」:http://fujkushimanikki.blogspot.jp/