(Jタウンネットより)
山梨県甲府市は戦国時代の名将・武田信玄の本拠地だ。信玄は甲府を拠点に、甲州、信濃を制圧「甲斐の虎」と称され、戦国「最強」の軍団を築き上げた。
2019年は信玄の父・信虎が甲府の城下町を整備してから500年にあたる記念の年。この開府500年を迎えるにあたって、甲府市は人気ゲーム「戦国BASARA」を展開するカプコンと、地域活性化に関する包括協定を締結した。

ポスター画像(提供:カプコン)
甲府市の「インバウンド」対応
編集部では早速、両者から電話で話を聞いてみた。
まず、甲府市の観光課では、「2019年は開府500年だが、2020年は東京オリンピックの年、世界中から観光客が訪れるだろう」とのこと。山梨県には富士山もあるので、多くの人々を引き寄せ、受け入れる事業を展開していきたい、と語る。
また「戦国BASARA」に登場する武田信玄のキャラクターなどの活用によって、サムライの文化に関心を持つ外国人観光客によりアピールするだろうと期待しているようだ。いわゆる「インバウンド」の開拓である。同市では別途、無料Wi-Fi環境の整備を行う「こうふSAMURAI Wi-Fiプロジェクト」も発足させており、「インバウンド」客への対応を着々と準備中だ。
また「戦国BASARA」の主要なファン層である若年層が、甲府を訪れてくれるきっかけとなることも期待しているようだ。
斧を振り回す、武田信玄
一方、カプコンの広報IR室では、次のように答えてくれた。
「提供するキャラクターは、武田信玄はもちろん、真田幸村、猿飛佐助など、必要に応じて考えていくつもり」とのこと。なにしろ5年にわたる包括協定は、同社にとって初めてのケース。これまで宮城県・伊達政宗、高知県・長宗我部元親など比較的短期の事例はあるが、今回のような長期の案件はまだないという。

戦国BASARA4皇ティザーCG(提供:カプコン)
武将の性格や史実はモチーフとしながらも、そこから飛躍して、ユニークで斬新な世界観を創造している「戦国BASARA」。同社もゲーム・ユーザーである若者が実際に甲府の史跡を訪ね、歴史の理解を深めてもらう社会貢献、地域活性化の一つとなることを期待している。
また、同社は、2015年夏、新作「戦国BASARA4 皇(スメラギ)」の発売を予定している。同作には、武将たちとは別に「千利休」が登場予定で、すでにその強烈なキャラが話題になっているが、この利休も出身地の堺や京都のPRに活躍……したら面白いかも。
2005年第1作の発売以来、360万本を出荷し、今年10周年を迎える「戦国BASARA」。「地域」と「海外」を巻き込み、地方創生の新たな起爆剤になるか。