街のコト

鉄道と人の心を支える高架下(東京都/有楽町・高架下飲食店街)

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(ライター:村上 健)

ちょっと一杯のつもりで飲んだら、いつの間にやらハシゴ酒。でも駅はすぐそこ、もう一杯だけいっちゃうか……。高架下は、手軽に仕事モードをリセットしたい人々の安息の地です。

加工YURAKUCHO-MAIN

ここは東京のど真ん中、有楽町。「新橋」駅から「東京」駅にかけて、新幹線やJR在来線が絶え間なく走る高架橋下に密集する飲食店街です。

造られたのは明治40年。以来、関東大震災や戦火をくぐり抜けてきた赤レンガ造りのアーチが連なる高架橋は、スクラップ&ビルドの激しい都心で貴重な土木遺産といえるでしょう。しかも、江戸時代の埋め立て地だったこの一帯は軟弱地盤のため、腐りにくい松が数万本も基礎に埋め込まれています。先端技術の詰まった新幹線を支えるのが100年以上前の松、というのも驚きですね。

高架下には、官公庁や企業に複数の新聞を一括で宅配する新聞販売店も

高架下には、官公庁や企業に複数の新聞を一括で宅配する新聞販売店も

そんなことを知ってか知らずか、グチや恋愛話を肴に盛り上がるサラリーマンと外国人観光客たちが入り乱れ、今宵もまた高架下は大賑わいでありました。

村上 健 Ken Murakami
編集者の仕事の傍ら、各地の風景を描く。著書に『昭和に出合える鉄道スケッチ散歩』『怪しい駅 懐かしい駅』がある。

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月刊不動産流通2017年2月号掲載

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