「ここでやりよっと? 探しとったんよ」「はい。また来てね」。これからご出勤のあでやかなお姉さまと屋台の店主が言葉を交わします。ここは九州随一の歓楽街、中洲。水面にネオンきらめく川沿いに、以前別の場所で営業していた十数軒の屋台が集まり、どこも大賑わいです。気軽に立ち寄れて地元客にも観光客にも人気の屋台の始まりは、戦後の食糧難の時代です。衛生面や道路使用の問題で一時は消滅の危機に瀕しましたが、公認された現在は中洲や繁華街の天神周辺で100軒以上が元気に営業中です。

屋台が醸し出す路地裏の空気(福岡市/中洲・春吉橋)
街のコト