街のコト

福岡市が国に提案「賃貸マンションを外国人の宿泊用に使えない?」

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(Jタウンネットより)

福岡市は、政府から「国家戦略特区」の1つに指定されている。安部政権は日本を起業大国とすることを目指していて、福岡をそのモデル都市にしようとしている。キャッチフレーズは「グローバル創業都市・福岡」。平成30年度までに開業率を13.0%、年間新規雇用者数を20万人に引き上げることが目標だ(現在は6.2%、15万人)。
そのためには都市機能を高めるとともに、日本人だけでなく外国人にとっても住みやすく働きやすい環境を整える必要がある。

福岡タワーから見た福岡市街地(acidlemonさん撮影、Flickrより)

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高島宗一郎福岡市長は、2014年8月26日の記者会見で、(1)旅館業法の特例適用、(2)都市部の宅地の容積率緩和を新たに提案する考えを明らかにした。

実はマンション率が高い福岡。郊外は過疎化の懸念も

●旅館業法の特例適用
観光庁調べによると、2013年の訪日外国人旅行者数は前年比24%増の1036万4000人に達した。東京オリンピックが2020年に開催されるため、この数は今後さらに増えると予想される。
現行法では宿泊料を受け取って空室を貸すと旅館業法の対象となり、フロントなどの施設を備えなければならない。そこで外国人旅行者等が賃貸物件の空室に長期滞在できるよう、一定の要件を満たした場合は同法の適用除外にしようというのだ。
ちなみに2013年の福岡県の宿泊施設の稼働率はシティホテルが75.9%、ビジネスホテルが70.2%、リゾートホテルが57.9%と高い水準にある。ただし旅館は20.7%と全国最低の稼働率となっている。築年数の立っている家屋では外国人も敬遠するに違いない。

●都市部の宅地の容積率緩和
福岡市の人口は現在約150万人で、現在も年1%程度の割合で増え続けている。人口密度は横浜市やさいたま市よりも低く、まだ伸び代がある。
ところで、2008年における福岡市の共同住宅率は約75%に達し、東京23区を上回る。大企業の支店や学生が多いことから、単身者が多いのも特徴だ。市街化区域を一定の範囲にとどめていたので、郊外に比較的緑が多く残っている。コンパクトシティとしての福岡の魅力は都市政策によるところも大きい。

市東部の千早エリアなどは再開発が盛んで、高層マンションが続々建設されている。その一方で郊外は高齢化に伴い過疎化が懸念されている。そこで容積率を緩和して2世帯住宅などを建てやすくする狙いがあるとみられる。

福岡市は今後10〜20年の間に市営住宅や民営マンションの建て替えが進むと見られている。最新の設備が整った共同住宅は外国人旅行者たちにもアピールできることだろう。

本当に外国人観光客は増えるの?

さて、47都道府県で外国人観光客が多いのは関西と関東、北海道だ。関西国際空港で入国して、大阪や京都、名古屋を周り、新幹線で首都圏に移動して、東京観光を楽しんで離日する――というパターンが多い。

2013年の国籍別外国人述べ宿泊者構成比をみると、東京はアメリカ・台湾・中国が各13%で、韓国が9%、欧州が8%と分散している。大阪は台湾が19%、韓国が18%、中国が17%、香港が11%、アメリカが5%となっている。欧米人は京都に泊まりたがる傾向にあり、両府を足せば東京と大きく異なるものではない。

一方で福岡は、韓国が39%、台湾が22%、中国が8%、香港が7%と圧倒的にアジアのニーズが高い。
東京オリンピックの外国人観光客を取り込むのが目的なら、福岡から東京、あるいは東京から福岡という導線をつくる工夫も必要だろう。

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