碁盤の目のように大小の通りが交差する京都の中心部。しかし、整然としたまちなみの中に迷路のような道もあります。祇園祭りで知られる八坂神社から南へ下がり、高台寺沿いの「ねねの道」に向かう「石塀小路」がそれ。京都風に言えば、「いしべこうじ」です。

雨もまた風情あり 石畳の小路 (京都府/京都市・石塀小路)
街のコト
記事一覧
碁盤の目のように大小の通りが交差する京都の中心部。しかし、整然としたまちなみの中に迷路のような道もあります。祇園祭りで知られる八坂神社から南へ下がり、高台寺沿いの「ねねの道」に向かう「石塀小路」がそれ。京都風に言えば、「いしべこうじ」です。
「あら、先生。お久しぶり」。着物の裾を気にしながらお座敷へ急ぐなじみの芸者さんと、横丁でバッタリ。なーんて経験はありませんが、そんな想像すらしたくなる一画があります。変化の激しい都心に珍しく、花街の名残を漂わせる神楽坂でも、とりわけ風情のある「兵庫横丁」がそれ。曲がりくねった石畳の道、黒塀、見越しの松と、ノスタルジックな舞台装置がそろう道沿いに、上品な居酒屋や和食の店が点在し、出版社が多い土地柄を反映して、かつて作家や脚本家たちが執筆に励んだという「ホン書き旅館」も現役です。