街のコト

雨もまた風情あり 石畳の小路 (京都府/京都市・石塀小路)

この「記事」が気に入ったらみんなにシェアしよう!

みんなにシェアしよう!

(ライター:村上 健)

1507rojiura_1

碁盤の目のように大小の通りが交差する京都の中心部。しかし、整然としたまちなみの中に迷路のような道もあります。

祇園祭りで知られる八坂神社から南へ下がり、高台寺沿いの「ねねの道」に向かう「石塀小路」がそれ。京都風に言えば、「いしべこうじ」です。和風の家並みと石畳の道が相まって、古都にふさわしい情緒と落ち着きを感じさせます。

1507rojiura_2

祇園に近いエリアだけに舞妓さんの姿もちらほら

この一帯、元々は小路の途中にある圓徳院の広い庭園の一部でした。明治維新後、土地に課税された税金を工面するために寺が宅地として分譲し、ジグザグの小路が出現。昭和40年代後半には、廃止された京都市電の軌道の石を敷き詰めたことから、現在の姿になったのです。

訪れた日はあいにくの雨模様でしたが、石畳にうっすらと家並みや街灯が映り、いい雰囲気。たまには雨もいいものです。

ほとんどクルマが通らない道を、粋な造りの建物を眺めながらそぞろ歩いている内に、ちょっぴり暮らしてみたい気分になってきます。「閑静住宅地、高級和風建築、交通至便、稀少物件早勝」…。往年の不動産物件情報なら、こんな宣伝文句でしょうか。

1507rojiura_map

村上 健 Ken Murakami
編集者の仕事の傍ら、各地の風景を描く。著書に『昭和に出合える鉄道スケッチ散歩』『怪しい駅 懐かしい駅』がある。

ƒvƒŠƒ“ƒg

月刊不動産流通2015年8月号掲載

この「記事」が気に入ったら
みんなにシェアしよう!

MATOME