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築35年超の住宅団地、20年後には4,000超まで増加/国交省調査

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今後、より詳細な調査を実施して、団地再生に関する法整備などを検討していく

今後、より詳細な調査を実施して、団地再生に関する法整備などを検討していく

国土交通省は18日、「住宅団地の再生のあり方に関する検討会」(座長:東京大学大学院工学系研究科教授・浅見泰司氏)の7回目の会合を開いた。

会合では、同省が実施した「住宅団地の実態調査」の結果について報告。全国の住宅団地を対象として、立地や建設年代、今後の老朽団地の増加見込み等について登記簿情報などから調査・推計したもの。「住宅団地」については(1)同一敷地内に計画的に建てられている2棟以上の共同住宅群で、(2)分譲敷地を含むおおむね50戸以上のもののうち、(3)当該敷地が区分所有者等により共有されていると推定されるもの、と定義した。

全国の住宅団地数は、2013年末時点で4,970団地・約194万8,000戸と推計。同時期の総マンションストック数約600万戸のうち約3分の1を占めた。三大都市圏に3,871団地・約152万5,000戸が集中していることも分かった。

また、老朽団地の増加について、10年後・20年後・30年後について推計。2015年時点で築35年超の団地は1,551団地に対して、10年後は2,769団地、20年後は4,093団地、30年後は4,769団地にまで増加するとした。その一方、住宅団地の建て替え実績は、15年4月1日時点で工事完了が114団地・約1万2,700戸、実施中が12団地、実施準備中が1団地にとどまっていた。

このほか、高経年住宅団地を複数ピックアップして、個別の住宅団地周辺における商店数・年間販売額の推移を、経済産業省の「商業統計調査」と照らし合わせて調査。東京都府中市の住宅団地(1966年供給開始)では、商業統計調査のデータで最も古い79年に商店数が137店舗あったが、2007年には85店舗にまで減少。年間販売額もピーク時(1991年)よりも48%減少しているなどといった現象が確認された。

調査結果を受けて、委員からは、「団地と周辺商業施設の販売額などについては相関関係があるのかどうかを検証する必要がある」「建て替えだけでなく、大規模修繕の実施状況や、大規模修繕さえ行なわれなくなった管理不全に陥っている団地がどれぐらいあるかどうかという調査も必要ではないか」といった意見が出され、今後さらに深堀りして調査する方向となった。

次回の会合は、年明けをめどに開催する予定。

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