(OVO オーヴォより)

さて、前回から登場いただいたテルミさん。100台前半で回れるようにはなったのですが、どうしても前後半で一回づつは大タタキしてしまうのが悩みでした。
そんなテルミさんへのアドバイスは、『MY PAR』を目指すことに集中してください、ということでした。スコアカードに書かれた「PAR72」の方は線で消して、とにかく『MY PAR』の102に合わせて設定した各ホールのPARに対し、一打良ければ−1、一打多ければ+1を記入するのです。
マジメで向上心の強いテルミさん、この『MY PAR』作戦をちゃんと18ホール実践してくれたようです。その結果は・・・
【 ちょうど100で回ることできました!今回は大タタキが1回で済んだので、それがよかったんだと思います。でもどうして、スコアカードの書き方を変えるだけでスコアアップになるのですか? 】
はいはい、さっそく成果に現れたようですね。この分だとテルミさんが100を切る日も近いでしょう。
当たり前のことですが、大タタキは一つのホールでミスが重なることにより起こります。ここのコラムをお読みになっている方であればご存じのとおり、ミスショットの原因の大きな割合を「メンタル」が占めています。だからこそ、笑顔や呼吸によってメンタルマネジメントすることの効果は前号までにお話ししてきました。
「大タタキ」は、マジメで向上心の強い人が陥りやすい悩みのひとつです。テルミさんのように向上心の強い人は、もっと自分はできるはずだ、こうあるべきだという理想が身の丈以上に高くなりがちです。だからこそミスショットをしたときに「自分への怒り」「自分を許せない気持ち」が強く起こってしまい、平常心が発揮できないのではないでしょうか。
そんなメンタルの状態で次のショットに臨んでも・・・ナイスショットの確率は低いですよね。この悪循環が、大タタキという結果を生んでしまいます。
『MY PAR』は、あなたが「普段どおり」の想定されたミスショットをすることを織り込んだ上でのスコアです。3打目、4打目で失敗しても十分にMY PARのチャンスはあります。この余裕が「一回ミスしても大丈夫」という、ミスを受け入れる気持ちを呼び起こしてくれます。
今回のコラムでみなさんに覚えてほしいのは、身の丈のMY PARを導入し、「ミスを受け入れる」という気持ちです。あなたの普段のミスを受け入れた上で設定した『MY PAR』を目指していけば、ミスを受け入れる気持ちをキープしやすくなります。
さて次回は、『MY PAR』を守るために必要な「勇気」というキーワードについてお話ししましょう。
<著者プロフィール>
村瀬雅宣(むらせ・まさのぶ)
一橋大学時代に体育会ゴルフ部キャプテン、1977年卒。
就職後は東京海上火災保険ゴルフ部キャプテンとして実業団会社対抗戦などで活躍。ハンディキャップ:JGA3.0
大学での講座、各種研修会やセミナー主催多数。ゴルフ専門誌や新聞でのコラム連載経験あり。一橋大学体育会ゴルフ部コーチ。メンタルカウンセラーの資格取得。
<NOBU GOLF SCHOOL http://nobugolf.com/>
<ゴルフメンタルマネジメント論 メールセミナー http://nobugolf.com/mailseminar-touroku>