(Jタウンネットより)

数年ぶりにうなぎの稚魚が豊漁!という話が増えていて、我らが築地市場もほっと一安心。いつもは、殺気立ったうなぎの担当者にも、少し笑顔が浮かんでいます。
ところで、うなぎの新仔(しんこ)ってご存知でしょうか?
養殖されているうなぎは、1年以内で食べられるようになります。
それより長くなると大きくはなるのですが、固くなるので宜しくありません。
一方、天然のうなぎはというと、ずっと成長は遅く、3年とか5年かかってやっと成体になると言われています。
そんな中、一際成長が早いうなぎが稀にでます。それを新仔と呼びます。

うなぎはスタミナがつくと言われますが、うなぎ自身も非常に元気で、餌を食べている姿をみると怖いほどです。
自然界であれば、食べられない=死ですので、それはもう必死なのです。
餌を巡っての競争が繰り返される中、何度かの選別があります。
池の全うなぎを一度出し、大きさごとに分け、また出し、また分け、を繰り返していくうちに、当然、やたらと成長の早いものだけが1つの集団になります。
これが新仔うなぎです。

このうなぎが丑の日前に出てくる事は、これまであまりなかったのですが、今年は久しぶりに宮崎産のものにお目にかかることができました。
養鰻場で厳しい競争を勝ち抜いた精鋭なので、それはもうパワーが違います。
しかし、まだ若いので大きいながら身は柔らかく、そこが大人のうなぎとは異なります。
関東では鰻は蒸してから焼かれますが、新仔はその「蒸し」の工程がいらぬ程。
ほろほろと口の中でとろける、夢のような食感です。
通常、この時期には手に入らぬ希少な「新仔うなぎ」、店頭にもめったに並びませんが、今度の土用の丑の日に見かけたら是非、食べてみて下さい。

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