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腕時計型、イヤホン型、メガネ型…コンピューターの新しいかたち「ウェアラブル端末」をソニーにきく

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「ウェアラブル端末」という言葉を知っていますか? ウェアラブルとは「身につけられる」の意味で、体に装着して使うコンピューターのこと。中でも注目を集めているのが、4月24日に発売予定の「Apple Watch」。アップル社による腕時計型のコンピューターです。

しかし、ウェアラブル端末について今ひとつピンとこない……という人は多いのではないでしょうか。at home VOXのアンケートでも、アップル社の製品は注目度が高いとはいえ、「Q.腕時計型端末『Apple Watch』を知っていますか?」の質問で「はい」と答えた人は35.2%でした。

そこで今回at home VOXでは、他社に先駆けてウェアラブル端末を世に送り出している大手エレクトロニクスメーカーのソニーを直撃。ソニーのウェアラブル端末のラインナップや、ウェアラブルの向かう未来について、話を聞いてきました!

■ソニーのウェアラブル端末「スマートウェア」とは「ライフログ」を取るもの

ソニーはさまざまなウェアラブル端末を発売しています。昨年末には腕時計型のウェアラブル端末「SmartWatch 3」をリリースしたそうです。

腕時計型の「SmartWatch 3」。OSに最新のAndroid Wearを搭載。

腕時計型の「SmartWatch 3」。OSに最新のAndroid Wearを搭載。

ソニー「スマートフォンと連携することで通話やメールの確認、各種情報の検索ができるウェアラブル端末です。音声入力に対応しているので、声で命令するだけでさまざまなアクションを起こせます」

ソニーはアップルに先駆けて、腕時計型端末をリリースしていたのですね。
ずばりウェアラブル端末とは何でしょうか?

ソニー「装着している人の日々の行動履歴、いわゆるライフログを収集して、意味のある情報を出してくれる端末のことですね。それを弊社では『スマートウェア』と読んでいます。スマートウェアの特徴がよく現れているのが、耳に装着するウェアラブル端末『Smart B-Trainer』です」

ランニング中に心拍数に連動した音楽を再生し、新しい走りの体験をもたらすソニーらしい「Smart B-Trainer」。

ランニング中に心拍数に連動した音楽を再生し、新しい走りの体験をもたらすソニーらしい「Smart B-Trainer」。

ソニーランニングのログを記録しながら、トレーニングメニューに合わせて最適な音楽を流してくれます。たとえば、心拍数が高くなってきたら、テンポの緩い音楽を自動で選曲して、走るペースを緩めるように促してくれるなど、まるでユーザーをマンツーマンでサポートしてくれるトレーナー的存在です」

その機能はスマートフォンと連携させることでフルに活用できるそう。

ソニー走ったコースや走行距離などを、スマートフォンに記録できるのです。走るときは『Smart B-Trainer』だけ装着し、家に帰ったらスマートフォンにデータを転送すれば、じっくり振り返ることができますよ」

スマートフォンで毎日の走行記録を確認できる。

スマートフォンで毎日の走行記録を確認できる。

さらに、ランニングコーチ監修のトレーニングメニューを、音声でガイドする機能も搭載。

ソニー「スポーツをやりたい人は、どうすれば上達できるのか、どうすれば続けられるのか常に悩んでいるものです。そこで、端末側からトレーニングを継続できるアイデアを提案していくのが、『Smart B-Trainer』の特長です」

なぜ「Smart B-Trainer」は、ランニングに特化したのでしょうか?

ソニー「汎用性という点においては、スマートフォンにはかないません。そこで我々は『ランニングというシーンにおいて、最も適した端末の形は何か?』という点を突き詰めました。その結論が『Smart B-Trainer』です。ランニングという特定のニーズにこたえ、ユーザーにスマートフォンでは得られない、身軽で楽しく継続できる体験を提供できるようになりました」

確かに、スマホを持ちながらのランニングは煩わしいですものね。

ソニー「『Smart B-Trainer』をはじめウェアラブル端末は、基本的にスマートフォンとの連携を前提にしています。用途に応じて特化したのがウェアラブル端末で、収集したログデータの分析や記録はスマートフォンと、住み分けされているのです」

■次なるウェアラブル端末は「アイウェア」型

腕時計型、イヤホン型に続き、ソニーでは次なるウェアラブル端末を開発しています。

ソニー「現在開発を進めているのがアイウェア型端末です。2種類あり、『SmartEyeglass』『コンセプトモデル SmartEyeglass Attach!』です」

同じメガネ型のウェアラブル端末ですが、コンセプトは異なるそう。何が違うのでしょうか?

ソニー「まず『SmartEyeglass』は、レンズ自体が光学ディスプレイになっています。レンズを通して見る光景に、映画の字幕のように、文字や便利な情報が視界に重なって見えるのです」

開発者向けの「SmartEyeglass」。コードの先にあるのはコントローラー。

開発者向けの「SmartEyeglass」。コードの先にあるのはコントローラー。

ソニー「カメラを搭載していて、見ている光景を端末が認識できます。これによって、たとえば人に会っている時なら、その人の情報を表示できます。また料理中なら、調理している食材に応じたレシピを表示することもできるでしょう。このように、装着している人の視界に合わせた情報を表示してくれます

現在はアプリ開発者向けに提供されていますが、一般向けに販売する頃にはアプリが充実し、さまざまな使い方ができるようになるということです。

着用すると大きめのメガネといった感じ。

着用すると大きめのメガネといった感じ。

ソニー「次に『コンセプトモデル SmartEyeglass Attach!』ですが、これは普通のアイウェアに装着するタイプです。レンズの端に有機ELディスプレイを配置することで、視界の端に情報が表示されます」

開発中の「コンセプトモデル SmartEyeglass Attach!」。レンズの上に伸びているのが有機ELディスプレイ。

開発中の「コンセプトモデル SmartEyeglass Attach!」。レンズの上に伸びているのが有機ELディスプレイ。

特徴はメガネの上から装着するタイプであること。ソニーが提供するのはディスプレイモジュールのみだそうですが、メガネはどうすれば?

ソニー「弊社のディスプレイモジュールを、各メーカーが作った対応アイウェアに装着します

すでにスポーツ用品メーカーのミズノからは、対応アイウェアを開発することが発表されています。ウェアラブル端末の開発において、このように他のメーカーと協業するのは「ウェアラブル端末の自然な流れ」だと言います。

ソニー「ウェアラブル端末は、すでに身に着けているものや場所にヒントがあります。身に着けていても違和感のない腕時計やメガネなどに新たな体験がプラスされるものとも言えます。常に身体に身につけるものですから、腕時計なら時計メーカー、スポーツ用アイウェアならスポーツ用品メーカーなど、豊富なノウハウを持つプロと協業することが、よりよい端末を作るために必要なのです」

今後、ますます注目を集めるであろうウェアラブル端末。友達の身につけている何気ないアイテムが「実はウェアラブル端末でした!」……なんて日が訪れるかもしれません。

<アンケート調査概要>
対象/全国20〜59歳の男女500名
調査方法/インターネットリサーチ
調査時期/2015年2月
※アンケート内容の転載にあたりましては、「at home VOX 調べ」もしくは「アットホームボックス調べ」という表記をお使いください。

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