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井伊直弼「生誕200年」で図録刊行…教委に取材したら、井伊家ご当主からお話を聞けました

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(Jタウンネットより)

図録「NAOSUKE・直弼・なおすけ〜近現代の中の井伊直弼」表紙(画像提供:彦根市教育委員会)
図録「NAOSUKE・直弼・なおすけ〜近現代の中の井伊直弼」表紙(画像提供:彦根市教育委員会)

2016年4月15日、滋賀県の彦根市教育委員会が1冊の図録の販売を開始した。その図録のタイトルは「NAOSUKE・直弼・なおすけ〜近現代の中の井伊直弼」。旧彦根藩主・井伊直弼とはどんな人物であったか、を振り返る内容となっている。

現在、同市開国記念館で開催中の同名の特別展で展示されている写真やパネル説明が、ほぼそっくり掲載されているという。Jタウンネット編集部は彦根市教育委員会に電話して、話を聞いてみた。

電話で話してくれたのは、「井伊」さんだった

電話に出てくれたのは、歴史民俗資料室の井伊岳夫さん。地域史の調査などを担当する職員である井伊さん、名前でお分かりのとおり、なんと井伊家の現・当主である。

「特別展は昨年7月、井伊直弼の生誕200年を記念して企画されました」と井伊さん。直弼の一生を客観的に見直し、後世の人々が彼をどのように捉えてきたか、銅像や肖像画などの写真を集めてみたという。

図録「NAOSUKE・直弼・なおすけ〜近現代の中の井伊直弼」中面(画像提供:彦根市教育委員会)
図録「NAOSUKE・直弼・なおすけ〜近現代の中の井伊直弼」中面(画像提供:彦根市教育委員会)

幕末の大老としてアメリカとの通商条約を締結し、そのため厳しい評価を受けることが多かった直弼だが、地元ではここに来て再評価の動きがあるのだろうか。「いえいえ、あくまでも生誕200年に、直弼の一生を年表にし、彦根市を中心に残されている銅像・木像・肖像画などの写真を集めてみただけです」と、井伊さんは慎重に答える。桜田門外の変から150年以上が経つが、いまだにやはり影響があるのだろうか。

特別展を見学した人の感想を聞くと、「安政の大獄をした人としか知らなかったが、直弼のことをもっと知りたくなった」「直弼の苦労がよくわかった」などという声が多かったという。

また横浜から来た旅行客は、現在の掃部山(かもんやま)公園の様子を話してくれたとのこと。横浜西区にある掃部山公園には、横浜開港に関わった井伊直弼の銅像がある。掃部山は直弼の官位であった掃部頭(かもんのかみ)にちなんだ名称である。

図録「NAOSUKE・直弼・なおすけ〜近現代の中の井伊直弼」中面(画像提供:彦根市教育委員会)
図録「NAOSUKE・直弼・なおすけ〜近現代の中の井伊直弼」中面(画像提供:彦根市教育委員会)

またNHK大河ドラマ『花の生涯』をはじめ、直弼が登場するドラマや映画を紹介するコーナーでは、「懐かしい」「もう一回観てみたい」と盛り上がる人も多いらしい。二代目尾上松緑、平幹次郎、北大路欣也、高橋英樹など、かつて直弼を演じた俳優たちは、渋い名優ぞろいだ。

なお大河ドラマといえば、2017年は『おんな城主 直虎』が予定されている。戦国時代の女性領主「井伊直虎」を女優・柴咲コウさんが演じるという。直弼の先祖である直政の従姉であり、養母とも伝えられる「直虎」が、物語の主人公だ。直政は後年、彦根藩の藩祖となる。

図録はA5判、48ページ。開国記念館、彦根城博物館などで500円で販売される。市立図書館、市内の小中高校などにも配布される。

井伊直弼生誕200年から大河ドラマへ、いま彦根市が熱い。

彦根城(sodai gomiさん撮影,Flickrより)

Hikone Castle

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