街のコト

あなたが「つけ麺」最初に食べたのは何年前? 回答に見る東西の受容「時間差」

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(Jタウンネットより)

2015年10月2日〜25日、東京・大久保公園で「大つけ麺博」が開催される。今年は「つけ麺とラーメン、本当に美味いのはどっちだ決定戦」が行われ、頑者や六厘舎をはじめ、つけ麺の行列店が集結する豪華なイベントだ。
今回の企画は「つけ麺誕生60周年」を記念したもの。東京・東池袋「大勝軒」の山岸一雄さんによって考案されたこの料理は、いまやラーメン店の定番メニューとなっている。

ところが西日本とくに関西では、つけ麺がそれほど普及していないといわれる。実際のところはどうなのだろう――。Jタウンネットは、5月18日から9月7日までの113日間、「つけ麺、初めて食べたのはいつ?」というテーマでアンケートを実施したところ、全国から570人に投票いただいた。

つけ麺の本格ブレイク前から食べていた人が約24%もいる!

まずは全国の結果から見ていこう。
最も多くの得票率を獲得したのは「(20年より)もっと前から」の23.7%だった。
以下、「10年以内」が21.1%、「20年以内」が15.8%、「食べたことはない」が14.0%、「5年以内」が13.0%、「3年以内」が8.6%、「1年以内」が3.9%と続く。

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関西では食べ始められたのはやっぱり最近?

後述するウェブサイト「つけ麺文化研究所」によれば、山岸さんがつけ麺の提供を始めたのは1955年。
その後1970年代に、「元祖中華つけ麺大王」による全国展開やハウス食品による商品化などが行われたが、この流れは一時停滞する。1980〜90年代に、大勝軒の系譜を引く店などを中心に広がりを見せ、2000年ごろから「ブーム」が巻き起こった。そしてここ10年ほどで、一般的に食べられる「国民食」の地位を獲得したといえる。

こうした歴史を踏まえると、「もっと前から」「20年以内」とした人はブーム前、あるいはブーム勃興期から親しんでいたつけ麺界の「アーリーアダプター」、「10年以内」より後は平均的な受容者といっていいだろう。

これを踏まえて、地域別の傾向を見ていこう。

つけ麺ブームの震源地となったのは東京と埼玉だ。
大勝軒の本店が池袋だったことからすれば当然といえるが、行列のできる店として有名な「青葉」(中野)、「頑者」(川越)、「六厘舎」(大崎→東京駅に移転)、「やすべえ」(高田馬場)なども東京または埼玉で開業した。
両都県における「(20年より)もっと前から」の得票率は26.0%と、全国平均を上回る。「20年以内」に投票した人も22.1%いた。一方、「食べたことはない」の得票率は10.7%だった。

関西地方はどうだったかというと、「(20年より)もっと前から」の得票率は14.9%にすぎない。そして「食べたことはない」が25.4%の得票を集めた。近畿にも愛好者はもちろんいるだろうが、つけ麺に対するボルテージは東京・埼玉よりも低そうだ。

下の図表は、福井−岐阜−三重以東の「東日本」と、京都−滋賀−奈良−和歌山以西の「西日本」の得票率を比較したもの。1ケタしか投票のなかった県が多くあり、細かな傾向は出せなかったが、つけ麺が日本の隅々に浸透しているとはまだ言い難い。

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コンビニのメニュー化で全国展開が進む?

このように、東西で受容度にはまだ違いがあるらしいつけ麺。

ところで冒頭に挙げた「大つけ麺博」の協賛には、セブン-イレブンなどが名を連ねる。またローソンは「つけ麺文化研究所」というページを開設している。

「大つけ麺博」公式サイトトップページ
「大つけ麺博」公式サイトトップページ
ローソン「つけ麺文化研究所」トップページ
ローソン「つけ麺文化研究所」トップページ

コンビニは中食の開発・ブラッシュアップに余念がない。ラーメンと比べてつけ麺は比較的商品化しやすく、各社が狙っている商材だ。こうしたコンビニ業界の動きは、つけ麺の東西格差消滅に影響しそうだ。

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