街のコト

青森県が目論む壮大な「λ(ラムダ)プロジェクト」とはなんだ!?

この「記事」が気に入ったらみんなにシェアしよう!

みんなにシェアしよう!

(Jタウンネットより)

λ(ラムダ)プロジェクト――この言葉を聞いて、皆さんはどんなイメージを抱くだろうか。

「λプロジェクトを――発動する!」
「こ、これが……! 抹消されたはずのあの『λプロジェクト』!」
「(ナレーション)極秘裏に進められた『λプロジェクト』により建造された新型モビルフォース・ガンガルは……」

中二病気味なSFアニメ的シチュエーションが次々と浮かんできたのは、おそらく筆者だけではあるまい。λプロジェクト。聞くからにカッコいい。

ところがこのλプロジェクト、実際に日本で、しかも青森県が現在進行形で進めている計画の名前なのだ。青森県……いったい何を目論んでいる!?

弘前・青森・八戸・函館を結ぶと「λ」に似てる

同プロジェクトは青森県が提唱したもの。2016年3月までに開業予定の北海道新幹線によって両地域の時間距離がグッと縮まることから、両地域が「津軽海峡交流圏」を形成して交流を活発化させ、さらに圏域外から人を呼び込むというものだ。

北海道新幹線は新青森〜新函館北斗間約148キロを最短約1時間で結ぶ。2014年11月18日には、カウントダウンイベント「遅くともあと500日」が全道各地で開催された。単に所要時間が短縮されるだけでなく、在来線なら運転見合わせとなる積雪量でも定時運行されることから、沿線住民の活動範囲は大きく拡大する。

……って、この計画のどこに「λ(ラムダ)」があるの? と思うかもしれない。
実は、λは地図上でのルートの形にちなんだもの。新函館北斗駅から新青森駅を通って八戸駅への新幹線のルートと、新青森駅から弘前駅への奥羽本線のルートの形が「λ」に見立てられることから、ラムダプロジェクトと命名されたそうだ。

ラムダに込められた決意を考えてみる

ちょっと拍子抜けではあったが、λプロジェクトにかけられた地元の期待は大きい。
ラムダといえば、日本初の人工衛星「おおすみ」が打ち上げられたのは1970年のこと。その際に使用されたロケットは「ラムダ」といい、日本が宇宙開発に乗り出す上で大きな役割を果たした。

日本の宇宙開発史に大きな足跡を残したラムダロケットは、打ち上げに4度失敗している。5回目のチャレンジにして人工衛星を軌道に乗せることができた。
欠点を一つ一つ克服した当時の技術者には頭の下がる思いだが、今回のラムダプロジェクトを命名した人の胸裏には、「どんな困難に直面しても道南と津軽の両圏を振興させるぞ!」という決意がみなぎっている――そんな気がする。

ラムダロケット(Momotarou2012さん撮影、Wikimedia Commonsより)
ラムダロケット(Momotarou2012さん撮影、Wikimedia Commonsより)

実際、青森県津軽海峡交流圏ラムダ作戦会議の委員は次の5つの掟を守ることが条件となっている。

◆青森県を元気にしたいという熱い想いがある
◆前向きである
◆面白いことが好きである
◆自ら汗をかく
◆交流圏形成の頭脳である

イメージキャラもちょっとSFっぽい

ちなみに、λ(ラムダ)プロジェクトにはシンボルキャラクター「マギュロウ」が存在する。南の海で生まれ、好物はイカ。時速200キロメートル以上のスピードで泳ぐことができるという。
ゆるキャラの王道的なデザインである一方、この体の模様、どことなくウルトラマンっぽい。

いずれにせよ、どんな困難にも負けない、SF作品のヒーローたちのような熱い精神が、λプロジェクトにも秘められていそうだ。

この「記事」が気に入ったら
みんなにシェアしよう!

MATOME