
先日のアンケート記事「若い世代は安くていい宿に泊まりたい 旅先での節約・こだわりポイント」では、20・30代の若い年代は「旅行で何か1つだけ節約するなら」で「宿泊費」を挙げつつ、「旅行先で一番こだわりたいところ」に「宿泊施設の快適さ」を挙げる人が一定多数いました。宿のコストは下げたいけれどクオリティは維持したい、そんな一見ワガママな注文が浮かび上がりました。
でも、リーズナブルで居心地のいい宿はきっとあるはず。居心地のよさというと、高級な設備や充実したサービスがイメージされますが、それとは違うアットホームさも居心地のよさのひとつと言えるでしょう。そこでat home VOXが注目したのが「ゲストハウス」です。
外国人やバックパッカー向けの安価な宿というイメージの強いゲストハウスですが、最近は一般の旅行者や家族連れでの利用も多く、最近は実に多彩なゲストハウスが増えています。at home VOXはその中から「地域融合」をコンセプトに掲げて、宿泊客をおもてなししている人気のゲストハウスに、ホテルや旅館と何が違うか、どんな体験ができるのかお話を伺いました!
外国人が多く利用しているイメージが強いゲストハウスですが、こちらでは宿泊客の3~4割が日本人だとか。なぜ日本人に人気なのか、その秘密に迫ります!
■国籍を超えて街と「つながる」。その入口のような場所
旅行客やビジネスマンが行き交う品川駅から徒歩12分。今回取材した「ゲストハウス品川宿」があるのは旧東海道沿い、昔ながらの商店街です。歴史のありそうな個人商店や、オシャレなカフェ、飲食店が並んでいます。そんな中を歩いていくと、情緒あふれる佇まいの宿が。
深緑の「のれん」と、「問屋場」と書かれた看板が、江戸時代の宿場を連想させます。地域融合型ゲストハウスである品川宿は、街の観光案内所も担う場所。近所の方が窓からスタッフさんに声をかけているのが見えます。なんだか賑やかで、明るい雰囲気です。早速、広報担当の岡部宇洋さんにお話を伺いました。

岡部さん「ゲストハウス品川宿では、訪れたお客さまに街をまるごと楽しんでもらいたい、と思っています。たとえばホテルに泊まったときは、夕食、お風呂、スパ、朝食、などが1つの建物の中だけで完結しますよね? ゲストハウス品川宿の場合は、宿を取り囲む街全体が1つのホテルのようなイメージです」
と言いながら、岡部さんは地図を広げて街案内をしてくれました。チェックインした宿泊客にも、このようにしてゲストハウス周辺のスポットを案内するそう。
岡部さん「お客さまには『お食事はここが美味しいですよ』、『近くに温泉の出る銭湯がありますよ』など、積極的にご案内しています。もちろん施設内にシャワールームをご用意していますし、すぐ隣にコンビニもあるのですが、この近隣は昔からのお店で賑わう商店街です。街の人々との出会いも楽しんでいただけたら嬉しいなと思います」
■ビジネスホテル代わりに利用した宿泊客も「交流」を求めて再訪する
そんな「街への入り口」として親しまれるゲストハウス品川宿。それにしても、ゲストハウスというと海外の観光客が多いイメージです。どんな人が利用しているのでしょうか?
岡部さん「6~7割が海外からのお客様です。創業当時はアメリカからのお客さまが多かったのですが、今は、韓国・台湾・東南アジアからのお客さまも増えています」
一方、新幹線が通る品川駅に近いこともあり、ビジネス目的の利用も多いそう。その時の体験をきっかけに、リピーターになってしまう人も多いようです。
岡部さん「ビジネスホテル代わりに宿泊されたお客さまが『海外の方との交流や、街の方との交流が楽しかったので……』と二回目の予約をしてくださる、ということも多いんです。共同スペースでは、座ったお客さま同士で会話が盛り上がっています。普通のホテルに泊まったら出会えなかった人と知り合える。その楽しさを知って、リピーターになってくださる日本のお客さまも、多くいらっしゃいます」
■気になる館内に潜入! 清潔感のあるお部屋と優先フロアで女性も安心
ところでゲストハウスというと、なんとなく女性一人で利用するのには勇気がいる、という人も。そこで、お部屋も見学させていただきました。
岡部さん「女性のお客さまにも気持ちよくご利用いただけるよう、女性優先フロアを用意しています。お一人でご旅行にいらした女性は、シングルルームにお泊りになることが多いですね」
一方、館内には「これぞゲストハウス!」というドミトリー(男女別)も。これは宿泊客同士の交流が生まれそうです。
■会話が自然と生まれる秘密はスタッフさんの絶妙なアシスト
さまざまな国から来た人同士をつなぎ、人と街のお店とをつなぐゲストハウス品川宿。それにしても、初対面の人と、そんなに簡単に会話ができるものなのでしょうか……。実は、会話が自然と生まれる背景には、スタッフさんの心配りがありました。
岡部さん「チェックインの時に、施設のご説明や、街のご説明を丁寧にするようにしています。お話の流れの中で、どこからいらしたのか、この街のどういったことに関心を持っていらっしゃるのか、何かお困りのことはないか、などをお伺いすることも。『様々なお客さまと交流されたいのかな』と思ったら、共有スペースをおすすめします。同じ地域からいらっしゃったお客さま同士で、会話が弾むことも、よくありますね。逆に『お一人で静かに過ごされたいのかな』と思ったら、話しかけることを控え目にします」
困っているときや、話したいなと思っているときは、声をかけてくれる。他の宿泊客とお話してみたいけれど、自分から話しかけていいものか……と迷っているときは、コミュニケーションをアシストしてくれる。そんなスタッフさんがいるから、国籍を超えた旅行者同士の交流や、街の人たちとの交流が生まれるのですね。
ゲストハウス品川宿は、街との出会い、国境を超えた出会いが自然と生まれる空間でした。それが日本人にも人気のある理由のひとつのようです。地域に根ざしたゲストハウスを利用して、みなさんも「出会いの楽しさ」を味わう旅をしてみませんか?
- 取材協力
ゲストハウス品川宿
住所:東京都品川区北品川1-22-16
電話:03-6712-9440
受付時間:午前7時~午後10時
チェックイン:午後4時〜午後10時
チェックアウト:午前7時〜午前10時
http://bp-shinagawashuku.com/jp/
<アンケート調査概要>
対象/全国20〜59歳の男女516名
調査方法/インターネットリサーチ
調査時期/2016年2月
※アンケート内容の転載にあたりましては、「at home VOX 調べ」もしくは「アットホームボックス調べ」という表記をお使いください。