かつては「長寿県」として知られていた沖縄県。しかし厚生労働省のサイトによると、女性の平均寿命はナンバーワンだが、男性は25位に転落している。平均寿命の男女差では沖縄がワーストワンだ。

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かつては「長寿県」として知られていた沖縄県。しかし厚生労働省のサイトによると、女性の平均寿命はナンバーワンだが、男性は25位に転落している。平均寿命の男女差では沖縄がワーストワンだ。
最も長生きする国として知られている日本。国内においては地域差があるものの、国全体として充実した医療制度、ヘルシーな日本食など、日本人の長寿の秘訣は世界からも注目され続けている。 一方、ヨーロッパにも日本のような“長寿の島”として知られ、注目されている場所があることをご存知だろうか。それは、ギリシャの北エーゲにあるイカリア島。ギリシャ神話に登場するイカロスが、近くにある海に転落した逸話から名前が付いたという歴史ある島だ。イカリア島はヨーロッパ諸国と比べても平均寿命が非常に長く、実際にイカリア島に住む3分の1の人は90歳を超えて逝去し、現在でも100歳を超えている高齢者がたくさんいる。 特筆すべきなのは、イカリア島の高齢者は寿命が長いだけでなく、体も健康的であること。がんや心臓病といった病気、さらにはうつ病や認知症になる人が非常に少ないのだ。外出や運動、さらには性生活もアクティブだという。この長寿と健康の秘訣については、多くの研究によってその秘密が解明されようとしている。 まずはイカリア島の伝統的な食事。アテネ大学医学部の心臓専門医であるクリスティーナ・クリソフ教授の研究によると、イカリア島の食事は独自の特徴がある。それは、大豆と、赤ワインの約10倍もの量の抗酸化物質を含む地元で採れた野菜をたくさん含んでおり、肉や精製糖の摂取は少なく、たくさんの芋とヤギの乳を摂取しているのだという。これは、他のギリシャにある島の食事とは大きくかけ離れているのだそうだ。また、彼らはハーブティーを多く飲むがコーヒーはあまり飲まず、トータルで一日の摂取カロリーが低いという。 イカリア島はいまだに観光客がほとんどいない、孤立した島。クリソフ教授は、西欧化の影響をほとんど受けていないことが平均寿命の長さと大きく関係していると分析している。さらに、昼寝をする習慣については、心臓病のリスクを減らす効果ももたらしていると考えられている。実際に、イカリア島の高齢者は十分に睡眠をとるのだそうだ。 歴史的な背景も、イカリア島の長寿の秘訣といえるかもしれない。イカリア島は第二次世界大戦時、ドイツ軍とイタリア軍に占拠され、少なくとも島の約20%の人が飢え死にした歴史がある。戦争が終わると、島の人々は団結して生き抜くことでこの苦しみを乗り越えてきた。島全体のそうした活力が、多くの高齢者たちの生きる力につながっていることもあるのだ。 さらに、島で不動産管理人をしているエレニ・マザーリーさんは、イカリア島の文化では家族の存在が長寿と健康に大きく関係しているという。エレニさんによれば、島には老人ホームがあるものの、そこには何らかの理由で家を失った高齢者しかいないのだそうだ。「多くの高齢者は、家族と一緒に暮らします。おじいちゃんやおばあちゃんを独りぼっちにすることは、若い世代にとって恥ずかしいことだと考えられているのです」と語る。家族と一緒に暮らすことは、孤独を感じずに元気でいられる大きな要因なのだろう。 健康的に長生きするためには、健康的な食事や活発な運動だけでなく、生きようとする気持ちや家族の存在など精神的な面が大きく寄与していることを教えてくれるイカリア島。日本も長寿大国として、イカリア島から学べる点がいろいろとあるかもしれない。
就活、婚活、朝活と、なんでも“活”な時代、最近は発酵食品やきのこなどから体に良い菌を積極的に食生活に取り入れようという“菌活”もブームだ。でも、それってどれくらい健康にいいのかと聞かれると、他の健康法同様、“なんとなく良さそう”な領域を出なかった。だが、注目すべき数字がここにある。ネオマーケティングが実施した「食生活からみる長寿に関する調査」の結果だ。 ポイントは長野県。全国の20歳以上の男女3200人の食生活と健康状態を調査したところ、47都道府県のうち、長野県の食卓には突出して菌類が含まれる食べ物がのぼっていることが分かったのだ。たとえば、子供の頃から「菌類」を取る食生活を送っている人は、長野県では7割を超えていて、全体の平均(55.5%)をはるかに上回る。また、毎日「菌類」の食べ物を食べている人も、長野県では53.3%。その他の46都道府県が40.2%なのに比べると、やはり“菌活”が活発な県民といえる。 さて、長野県の菌活と健康はどうつながるのかであるが、厚生労働省が2013年に発表した「都道府県別生命表」によると、長野県は何と平均寿命が男女ともに1位(男性80.88歳、女性87.18歳)なのだ。食べ物は身体をつくる。健康の元は食生活。そう考えると、この統計と長野県民の“菌活”は無縁とは言い難い。 では、長野県民はどんな菌類を食べているのだろう? 長野のスーパーをのぞいたことがあるだろうか? とにかく大きなブナシメジやエリンギが、ぜいたくに並んでいる。名物きのこ汁や、きのこ鍋も思い浮かぶ。調査でも、やはりきのこ類を1日1回以上食べる人が20%と、他の都道府県(11.7%)に比べ多く、チーズや納豆を含め、長野県民の菌類摂取頻度はなかなか高い。長野の8割以上の人が、きのこなどの菌類をふだんから食べることが長生きにつながる、と思っているという結果も出ている。 菌活には、どうやらディープな根拠がありそうだ。