「食生活」

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長野の菌活が語るもの 健康のディープな根拠

長野の菌活が語るもの 健康のディープな根拠

 就活、婚活、朝活と、なんでも“活”な時代、最近は発酵食品やきのこなどから体に良い菌を積極的に食生活に取り入れようという“菌活”もブームだ。でも、それってどれくらい健康にいいのかと聞かれると、他の健康法同様、“なんとなく良さそう”な領域を出なかった。だが、注目すべき数字がここにある。ネオマーケティングが実施した「食生活からみる長寿に関する調査」の結果だ。 ポイントは長野県。全国の20歳以上の男女3200人の食生活と健康状態を調査したところ、47都道府県のうち、長野県の食卓には突出して菌類が含まれる食べ物がのぼっていることが分かったのだ。たとえば、子供の頃から「菌類」を取る食生活を送っている人は、長野県では7割を超えていて、全体の平均(55.5%)をはるかに上回る。また、毎日「菌類」の食べ物を食べている人も、長野県では53.3%。その他の46都道府県が40.2%なのに比べると、やはり“菌活”が活発な県民といえる。 さて、長野県の菌活と健康はどうつながるのかであるが、厚生労働省が2013年に発表した「都道府県別生命表」によると、長野県は何と平均寿命が男女ともに1位(男性80.88歳、女性87.18歳)なのだ。食べ物は身体をつくる。健康の元は食生活。そう考えると、この統計と長野県民の“菌活”は無縁とは言い難い。 では、長野県民はどんな菌類を食べているのだろう? 長野のスーパーをのぞいたことがあるだろうか? とにかく大きなブナシメジやエリンギが、ぜいたくに並んでいる。名物きのこ汁や、きのこ鍋も思い浮かぶ。調査でも、やはりきのこ類を1日1回以上食べる人が20%と、他の都道府県(11.7%)に比べ多く、チーズや納豆を含め、長野県民の菌類摂取頻度はなかなか高い。長野の8割以上の人が、きのこなどの菌類をふだんから食べることが長生きにつながる、と思っているという結果も出ている。 菌活には、どうやらディープな根拠がありそうだ。

「高コレステロール食品はさまざまな病気を引き起こす」は間違いだった?

「高コレステロール食品はさまざまな病気を引き起こす」は間違いだった?

 健康的な生活を送るうえで欠かせないのが食生活。多くの人は、油物やカロリーが高い食品はコレステロールが多く含まれているので避けたいと思っているのでは? しかし、このコレステロールについて、現在、世界的にその存在自体が見直されてきている。 卵やバター、貝類やベーコン、レバーといった高コレステロール食品は1970年代から、心臓病や心臓発作といった死に至る動脈硬化の原因とされ、人間の健康に危険を及ぼすものだと一般的には考えられてきた。 しかし現在、アメリカ政府は「食品に含まれる栄養素」リストからコレステロールの項目自体を外そうとしている。多くの専門家が、食品に含まれる高コレステロールと血中脂質の危険レベルには関係がないと主張しており、そのアドバイスを受け入れる方向に向かっているという。5年ごとにガイドラインを見直すことが義務付けられているアメリカ農業省の顧問委員会は、今後、卵や貝類、その他の高コレステロール食品は避けるべきであるとは警告しないとしている。委員会のこの方向転換は、「コレステロールを含む食品を食べることは健康を害する」という一般的な警告が当たり前だった、この40年間の健康意識を大幅に変えることになると話題になっている。 また、イギリスのタブロイド紙「デイリーメール」のジェネラル・プロデューサーMartin Scurr氏は、この変化はアメリカだけでなくイギリスでも同様に見られるだろうと予測している。彼は「今、コレステロールを考える上での臨界点にきていると思います。実際、動脈硬化には他のリスク要因が含まれているものの、私たちはどういうわけかコレステロールという存在に憑りつかれてきました」と記事で語っている。さらにイギリスの科学ジャーナリストであるMatt Ridley氏は、こうした動きを受けて「いかに医療や科学のプロがこのような歴史的な間違いをしてきたのかを調査する必要がある」と語った。彼はアメリカでの変化を「大きな方向転換」とする一方、コレステロールについて誤った認識が蔓延していた事実については「スキャンダル性に帯びていた」とも話した。 こうした世界的な動きを受け、日本動脈硬化学会は5月1日、「コレステロール摂取量に関する声明」として、その見解を発表した。声明によると、「我が国の『2015年日本人の食事摂取基準』では、健常者において食事中コレステロールの摂取量と血中コレステロール値の間の相関を示すエビデンスが十分ではないことから、コレステロール制限は推奨されておらず、日本動脈硬化学会も健常者の脂質摂取に関わるこの記載に賛同している」として、現段階ではガイドラインの見直しはしない方針を示した。 さらに「動脈硬化を防ぐには、高LDLコレステロール血症だけでなく、血圧や血糖値のコントロール、禁煙や運動など包括的な生活習慣の改善を介した予防が大切である」として、包括的な生活習慣の改善を呼びかけている。また、コレステロール摂取のみを制限しても他の栄養バランスが崩れていればさまざまな病気のリスクがある。「伝統的な日本食は抗動脈硬化的であることが我が国の研究で多数示されているため、減塩に留意したうえでの日本食を勧める」として、日本食を食べることを推進している。 日本動脈硬化学会「コレステロール摂取量に関する声明」

妻たちが気遣う夫の身体 だが気遣うべきは……

妻たちが気遣う夫の身体 だが気遣うべきは……

 毎日の食事に気を遣い、飲酒や睡眠時間を気にする妻たち。共働きが増えた現代でも、やはり「食」担当は妻の方が多いのか、夫の食生活・栄養バランスを気にしている既婚女性は85.4%。一方、妻の食生活を気にしている既婚男性は62.6%にとどまり、3人に1人以上は気にしていないことが、カゴメが実施した調査で分かった。 春は健康診断の季節。厚生労働省の「平成24年 労働者健康状況調査」によると、過去1年間に会社が実施した定期健康診断の受診者の割合は88.5%で、多くの人が健康に注意を向けている。もっとも、日本人間ドック学会によると、受診者で生活習慣病関連項目に異常ありと診断された人の割合は、肝機能異常が32.4%(平成19年調査時25.7%)、高コレステロールが31.5%(平成19年調査時25.7%)、肥満が29.3%(平成19年調査時25.0%)と6項目で年々増加傾向。 そこで、食生活を気にしている女性たちの夫の最も気になる臓器を聞いたところ、1位は「肝臓」(20.9%)となり、「胃」(15.0%)、「血管」(14.4%)の順。ところが、約8割(79.2%)の女性が日々の生活で肝臓ケアを気にしておらず、さらに約6割(57.2%)は健康診断の時の肝臓の数値も気にしていないことが判明した。要するに、夫の肝臓は気になるが、 約8割の女性は自分の肝臓ケアを意識していないということだ。飲酒や疲労で“お疲れ”気味の肝臓。夫の心配だけでなく、妻たちは自分の肝臓も気にした方がよさそうだ。