暮らしのコト

満腹御礼 ご当地肉グルメの旅

1kg単位で頼むツワモノも! 大分県中津市“中津からあげ総本家もり山”の「骨なしからあげ」

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全国各地のウマい肉料理をお腹いっぱい食べ尽くしていく新連載「満腹御礼 ご当地肉グルメの旅」。今回は鶏肉の消費量が全国平均よりずば抜けて高いとされる大分県の郷土の味中津からあげを紹介します!

からあげなんてどこでも食べられている普通のメニューと思われるでしょう!
しかし、中津市は「熱」が違います!

どれぐらいの熱量かというと、
中津耶馬溪観光協会(中津耶馬渓観光協会HP)のからあげガイドブックに載っているだけでも16店舗、市内にはそれ以上のからあげの量り売りテイクアウト専門店が存在し、日本一おいしいからあげ店を選ぶ「からあげグランプリ」で入選する店舗も多数輩出。
学校帰りのおやつや普段の食卓にはもちろんのこと、子どもの誕生日会だけでなく冠婚葬祭などの人が集まる場があれば「とりあえずからあげ」というのが当たり前!!
日本唐揚協会から「からあげの聖地」と認定されるほどなのです!

では、「からあげの聖地」中津のからあげの特徴はどんなところなのでしょうか。
味は、しょうゆベース、塩ベースにニンニクやショウガなどの調味料を入れたお店独自のタレを使用しており、一つとして同じ味がないのだそうです。

それでも共通する特徴をまとめてみると以下のようなものがあります。

1.骨付き、骨なしなどいろいろな部位がある
2.注文を受けてから揚げる量り売りである
3.冷めてもおいしい

さっそく、数ある中津からあげ店の中でも45年の歴史を持つ「中津からあげ総本家もり山三光本店」に行ってきました!

東九州自動車道の全面開通により、北九州空港からも大分空港からもアクセスがぐっと楽になった中津市。
2014年の大河ドラマの主人公の黒田官兵衛ゆかりの地であると同時に、現在の1万円札の肖像画に描かれている福沢諭吉の生地でもあります。

歴史ある町並みを眺めながらからあげをパクリ。

からあげ片手に歴史ある街並みを歩くのが中津流!

町の中心部から西へ車で約10分。三光地区に目的のお店があります。

昭和45年創業。年期の入った佇まいの店舗

昭和45年創業。年期の入った佇まいの店舗。

■アツアツをかぶりつく!

森山さん「何を何グラム揚げるん?」

調理を担当されている森山好文さんが出迎えてくれました。

朝引きの鶏を秘伝のタレにつけて準備中のところをお邪魔しました。

朝引きの鶏を秘伝のタレにつけて準備中のところをお邪魔しました

もり山のメニューは

骨なし 100g 200円
骨付き 100g 170円
手羽先 100g 180円
砂ズリ 100g 160円
骨付きもも 時価(サイズによる)

となっています。
腹ペコのため、一番食べごたえのある「骨付きもも」と一番人気の「骨なし」をオーダー。

森山さん「骨付きももは大きいからちょっと時間かかるよ。待ってな」

中津からあげの特徴はオーダーを受けてから揚げるところ。
特製のタレに付けられた鶏肉を180度の油へIN!

じゅわ~~という音が気持ちいい

じゅわ~~という音が気持ちいい。

油の上のほうに浮いてきたらOK!

1度揚げでこんがり揚げます

1度揚げでこんがり揚げます。

テイクアウト用の袋に入れてもらい、持ち帰り準備完了。

テイクアウト用の袋に入れてもらい、持ち帰り準備完了。

テイクアウトが基本ですが、空腹状態のため、恥を惜しんで聞いてみました。ここで食べてもいいですか?と…。

森山さん「ここで食べてもいいよ。そのテーブルを使ってな」

店内にはからあげが揚がるのを待つ小さなテーブル席があり、そこでさっそく袋を広げてみました。

骨なし200gと骨付きもも1本

骨付きもも1本(左)と骨なし200g(右)。

まずは「骨なし」からいただきます。
骨なし・骨付きは、もも肉やむね肉などいろいろな部位が入っており、100gでだいだい2、3個だそうです。
皮のところがパリパリに揚がっていて、鶏皮せんべいのような食感
肉の部分は、もも肉は肉汁じゅわり、むね肉はさっぱりと、味の違いがあります。
塩味のうましょっぱい中に、ニンニクとショウガの辛味がジワリ。
もり山の店舗に掲げられている標語のとおり、「今すぐご飯が食べとなる。今すぐ酒が飲みとなる」という味です。

持ち手にアルミホイルが巻かれているが、そこでは支えられないほど大きい!(笑)

持ち手にアルミホイルが巻かれているが、ここでは支えられないほど大きい!(笑)

続いて「骨付きもも」のプリプリしている部分にガブリ。
味付けは骨なしと同じですが、骨付きのいいところは骨の周りの肉(ここが一番おいしい)が食べられるところ
骨を分解しつつ、しっかり剥がしていただきます。
はふっはふっといいながら、あっという間に完食しました!

■中津と鶏肉のおいしい関係!

中津市でからあげが発展した理由には、第二次世界大戦後、政府の方針で養鶏所がたくさん設けられ新鮮な鶏肉が手に入りやすかったことや、旧満州からの引揚者が中国で食べた味を再現したなどとさまざまな説があるそうです。
ちなみに、隣の市の宇佐市は日本唐揚協会認定「からあげ店発祥の地」で、中津市と同じようにからあげのテイクアウトができるお店がしのぎを削っています。
このからあげ文化は昭和30年頃に宇佐市で誕生し、近隣に広まっていったと考えられています。

森山さん「中津の人間からすると量り売りのからあげは当たり前で、普段の食卓でもお店で買ったからあげを食べるんですよ。人それぞれ好きなお店があって地元に根付いた食文化ですね」

中津では人が集まるときにはからあげを食べる習慣があるので、1kg単位での注文もよくあるそうです。

森山さん「ダイハツ九州アリーナの側なので、大きなスポーツイベントがあるとたくさんの人が買いに来ますよ。先日、4人でいらっしゃって4キロという方もいましたね。一人で揚げてるから一度にたくさんの量は大変なので、電話で部位とグラム数を伝えてくれれば、取りに来る時間に合わせて揚げられます」

テイクアウト専門の中津からあげの最大の特徴は冷めてもおいしいところ。
アツアツもおいしいのですが、冷めると油気が抜けてしんなりし、揚げたてとは違う味わいになります。

つまり、しばらく持ち歩いていてもおいしいままなので食べ歩きにぴったりなのです!
市内に点在するお店を回ってからあげの食べ比べするのも良し。からあげを片手に城下町を散策するのも良し!
「からあげの聖地」をご堪能あれ。

  • 店舗情報

    ●中津からあげ総本家もり山三光本店
    住所:大分県中津市三光原口653
    電話:0979-43-2056
    営業時間:9:30〜19:00
    http://karaage-moriyama.com/

※記事中の情報・価格は取材当時のものです。

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