(株)帝国データバンク(TDB)は3日、2016年5月の「TDB景気動調査(全国)」の結果を発表した。調査対象は2万3,586社、有効回答は1万588社。
同月の景気動向指数(景気DI:0〜100、50が判断の分かれ目)は、41.8(前月比0.6ポイント減)と2ヵ月連続で悪化。熊本地震による営業停止の影響が部品調達などで表れたほか、企業の設備投資意欲の慎重姿勢が続き、個人消費の停滞が影響した。
業界別では、「金融」、「製造」、「小売」などの7業界が悪化し、「不動産」など2業界が改善、「運輸・倉庫」が横ばいとなった。
「不動産」については、低金利政策により住宅が買いやすくなっていること(建物売買)や、収益不動産への投資意欲が高いこと(不動産代理業・仲介)などが影響している。
地域別では、「北海道」、「北関東」、「北陸」を除く7地域が悪化。特に大手自動車メーカーの燃費データ不正問題の影響を受けた岡山を含む「中国」と、地震被害のあった「熊本」を含む「九州」で大幅に景況感が悪化した。
今後については、消費税引上げの延期や熊本地震からの早期の復旧・復興のほか、新興国の経済動向に影響されるとみられ、また、生産・消費の回復に向けた好材料も乏しいことから、弱含みで推移するとみている。