(株)三友システムアプレイザルは28日、「三友地価予測指数」(2016年3月調査)を発表した。半期ごとに発表しているもので、同社と提携する全国の不動産鑑定士148人を対象に調査した。商業地、住宅地の各都道府県主要都市における高度利用地等を前提に、上昇・やや上昇・横ばい・やや下降・下降の5段階で評価された地価動向の各回答者比率に100〜0までを5段階に分けた係数を乗じてその和を求めた。調査実施期間は2月8日〜3月4日。
商業地指数の「現在」(過去6ヵ月の推移)は、東京圏70.7(前回調査比1.7ポイント低下)、大阪圏76.5(同1.5ポイント上昇)、名古屋圏69.4(同11.1ポイント低下)となった。「先行き」(6ヵ月先の動向)については、東京圏が56.0、大阪圏が58.3、名古屋圏が55.5となり、現在よりも慎重な見方が強まっている。
同社では、名古屋圏の急激な指数ダウンはリニア効果による地価急上昇の反動と考えられると分析する。また全般的には、マイナス金利導入の影響もあることから、これまでの好況を不安視する声も聞かれるという。
住宅地指数の「現在」は、東京圏65.1(同3.6ポイント低下)、大阪圏64.5(同2.2ポイント低下)、名古屋圏72.2(同2.8ポイント低下)と、いずれも前回調査を下回った。「先行き」については、東京圏50.0、大阪圏55.3、名古屋圏55.6と、商業地同様に慎重な見方が強い。
また今回、地方圏の指数が上昇しており、同社ではその理由について「コンパクトシティ化が進んで局所的に優良な住宅地が増加しているからだ」と分析。半面、選別された住宅地では、長期にわたって未利用状態が続くことになる可能性が高いとも指摘しており、「空き家の問題と共に、今後はインフラ整備状況についても見直しが必要になるだろう」としている。