(株)ザイマックス不動産総合研究所は26日、「ビルオーナー実態調査2015」を公表した。早稲田大学建築学科の小松幸夫研究室と共同で、主に東京都心部を中心に不動産を保有するビルオーナーに対してビル経営に関してアンケートとヒアリング調査したもの。有効回答数は298人。
ビル事業の魅力について複数回答で聞いたところ、「安定収入の確保」が86.2%で最多。次いで「自社で使っていない区画の活用」が36.9%となった。今後の見通しについては、「かなり不安がある」17.1%、「やや不安がある」51.7%で、何らかの不安を抱える人が約7割に上った。ヒアリング調査によると、人口減少や供給過多などといったマーケットの不透明感や経年による賃料低下と事業採算性など、長期の見通しがしにくいといった声が目立った。
改修実施の有無については、88.3%が空調更新や外壁改修といった大規模な修繕工事を過去に実施し、5.1%が実施予定と回答。保有する最も古い物件の今後の方針については、「改修して使う」が26.9%、「現状のまま」33.9%、「建て替える」11.4%、「売却する」6.3%、「決まってない」19.6%となった。築年別では、築30年を境に建て替えを検討するオーナーが増えてくるが限定的で、築31年以上の物件であっても半数以上が現在保有しているビルを使い続ける方針としている。