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単世帯高齢者の暮らしの豊かさ、家族と過ごす時間と実子との関係が鍵/旭化成ホームズ調査

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旭化成ホームズ(株)は17日、「シニアライフ研究所」による「単世帯で住む高齢者が感じるくらしの豊かさ」に関する調査結果を発表した。

「シニアライフ研究所」は、同社住ソフト研究開発組織「くらしノベーション研究所」内に、高齢期の暮らしやそれを支える住まいとサービスのあり方の研究を目的に、2014年4月に設置した研究所。
今回の調査では、親子同居・近居、住み替えなど、高齢者の暮らしや住まいの選択肢、またそれを支えるサポートのあり方の検討を目的に、「高齢者(主に自立した70歳代)が感じる豊かさ」と、「別居の実子との関わり」を調査した。調査方法は、高齢者を対象とした個別面談調査およびウェブ調査、実子を対象とした親への生活支援に関するウェブ調査。

高齢者への個別面談調査は、ヘーベルVillage居住者(4物件・全74世帯)中20世帯28名を対象に14年6〜9月に実施。調査結果から「豊かな暮らしにつながる視点」として「建物内外における『交流』」「『自然』への親しみ」「『実子』による気配りと支え」の3視点を導き出した。

ウェブ調査は、70歳代以外に30〜60歳代にも実施。実査期間は13年7月(30〜60歳代)、14年11月(70歳代)、有効回答は一般戸建1,721件、マンション(70歳代のみ)300件、へーベルハウス居住者602件。
「自宅での暮らしに豊かさを感じているか」という問いでは、「とても感じる」「やや感じる」を合わせ、30〜70歳代の全体で半数以上が豊かさを感じており、年齢を重ねるにつれて増加する傾向に。70歳代は「人生が安定している」「自己実現ができている」「自分の好きなことができる時間がある」といった満足感も高く、70.7%と7割を超えている。
豊さを感じる時間については男性は60〜70歳代にかけて「家族と過ごす」時間が中心であるのに対し、女性は60歳代で多く見られた「家族と過ごす」が、70歳代では「自宅で趣味や好きなことをする」が多くなり、趣味を重視する傾向が強いことが分かった。

また、豊かに住まうための大切な要素を、時間のデザインと空間のデザインを意識して設定した9分類91項目から分析。全体では、暮らしの豊かさを構成する要素として、「自然による住まいの彩り」「自然を意識した健康なくらし」「社会とのつながり」「家族とのつながり」「自己実現のための時間や経済のゆとり」「安心・安全なくらしなど生活の基盤」といった6 つの要素が浮かび上がった。
一方、70歳代だけ見ると、自然とのつながりは、社会とのつながりとともに「心安らぐ外とのつながり」という一体的な要素と捉えられるなど、よりシンプルに4つの要素に分類されていることなどが分かった。

実子を対象とした親への支援調査は、調査対象が50歳代中心の持ち家、関東・関西都市部在住の1,100人、調査期間は14年12月。
調査結果では、実子の中でも男性より女性の関わりが高く、また「自分の配偶者」の関わりは「外部サービス」より低く、血縁のきょうだい中心に親の日常生活を支援をしていることが見てとれた。
生活支援する内容については、TOP5が「世間話を聞く」「困りごとを聞く」「おいしものを食べに行く」「遠出をする」「通院に付き添う」となった。親の自立・要介護別にみると、自立した親では「作業系」「つきそい系」「情緒系(元気づけなど)」を中心に、約3割程度の生活支援を行なっていることが判明した。要介護の親になると、「管理系」「方針系」も含め生活全般に対する支援の割合が高くなっている。

同社では今後、これら3つの調査結果に基づく提案として、「自然と社会とのつながりを醸成する空間」「実子のマネジメント支援」を挙げており、自立型高齢者賃貸住宅でのハード・ソフト両面からの共有スペースのあり方や、実際の居住者を対象とした生活支援サービス試行など、実証研究につなげていく。

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