(OVO オーヴォより)

衛星から見た地球の夜景データを見たことがあるだろうか?黒い地球の上に、光がポツポツと見えるところもあるが、本来は見えないはずの国境線が、まるで光で描いたように分かるところもある。その一つが日本だ。東日本大震災直後を別とすれば、日本の夜景はかなり明るい。ということは、エネルギーを使っているということ。このエネルギー削減をめざして世界中が同時に減光・消灯する「アースアワー」という環境キャンペーンがある。時差があるから、東から順にライトダウンされていく。毎年3月末に実施され、昨年は過去最多の162か国が参加した。
今年は3月28日夜。ザ・リッツカールトン沖縄では、この日午後8時半から9時半までの1時間、ロビーエリアや回廊、レストランなどの照明の減光、消灯を実施、願いや祈りを書いたランタンを“水の庭”に浮かべる「ウォーターランタン」イベントを同時開催する。琉球伝統の楽器、三線(さんしん)の優雅なライブコンサートも無料で行う予定だ。
ザ・リッツカールトンは、コミュニティ・フットプリントという名の社会・環境保全活動を推進している。地域に足あとを残す、という意味の社会的責任プログラムで、飢餓と貧困救済、子供たちの幸福、そして環境保全の3つの分野を中心に据えているのだそうだ。足あとを意味するフットプリントという言葉は、昨今環境保全の議論でよく使われる。たとえばエコロジカル・フットプリント。人間の活動がその環境の許容範囲内にあるかどうかを分かりやすく数値化するやり方だ。普段使っている交通手段やエネルギー、食べ物などを分類して、環境にかけている負荷の大きさをざっくり計算すると、「あなたの生活を世界中の人がしたと仮定すると、地球が3個必要です」というようなことが分かる。この“足あと”が小さければ小さいほど、環境への負荷が軽いということだ。エコロジカルな足あとは軽く、社会的責任を果たす足あとは重く。地球の夜景が、自転にしたがって“きちんと”暗くなる様子を想像してみよう。沖縄だけでなく、せめてこの日は、全国でもう一度、夜の自然な暗さを楽しんでみてはどうだろう?