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注目を集める「3世代消費」

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(OVO オーヴォより)

企業の注目を集める祖父母を巻き込んだ3世代消費

近年、祖父母がスポンサーとなって、孫のために商品を購入したり、3世代で過ごすことによって生じる「3世代消費」が注目を集めています。三菱総合研究所の調査によると、3世代消費の市場規模は3.8兆円にも上るとされています。

また、少子化を背景に、孫1人に対して母方・父方双方の祖父母と両親をあわせて6つの財布があることを指す「シックスポケット」という言葉があるように、孫を経済的にサポートする祖父母も珍しくなくなってきています。

特に注目されているのが、1947〜1949年の第1次ベビーブームの時期に生まれた「団塊の世代」やその少し下の年齢の世代が、孫をもつ年齢に達していることです。この団塊の世代のシニア層は、若いころに「3C(カー・クーラー・カラーテレビ)時代」や「ファストフードやコンビニエンスストアの誕生」など消費が非常に活発だった時代を生きてきた世代です。消費意欲が旺盛なだけでなく、商品・サービスの見る目を養ってきた人が多いとされています。そのため、単に「孫のため」だけでなく、「孫も(子どもも)自分も楽しめる消費」に関心が高いと考えられます。

3世代消費はどんな商品・サービスに向けられているのか?

企業としては、孫本人や両親だけでなく、祖父母の3世代にアピールする商品・サービスを提案することができれば、自社のビジネスチャンスを広げることができます。

三菱総合研究所の調査によると、3世代消費の内訳は次の通りです。

3世代消費の内訳としては、「プレゼント・お祝い」が最も多く、続いて「旅行・レジャー」「食費・飲料費」が高い割合を占めています。

また、旅行・レジャーなど、孫と一緒に時間や体験を共有するコト消費への関心も高く、さまざまなジャンルの3世代消費を楽しむ姿がうかがえます。

例えば、アパレルメーカーのオンワード樫山は、高島屋新宿店にメンズ3世代(祖父・父・子)を新たなターゲットとしたショップ「J.PRESS HOUSE」を開設しています。同ショップでは、子供服も大人向けアイテムと同素材を使用した子供服を多数展開しており、3世代でお揃いのコーディネイトを楽しんだり、「子どもや孫に上質の商品を身に着けさせたい」と考える祖父のニーズをとらえたものとなっています。

このように、祖父母世代が「孫のためだけでなく、自分も楽しめる消費に関心が高い」「孫と一緒に時間や体験を共有したいというニーズが高い」「子どもとの関係が良好であり、育孫(孫育て)に積極的である」などの特徴を掴んだうえで、企業は3世代消費を対象とした商品・サービスを提供することが大切になります。

筆者:日本情報マート

経営者の意思決定に役立つ情報を発信。金融機関にも提供。

また年間200件を超える市場調査も実施。
http://www.jim.jp/

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