(OVO オーヴォより)

会社にいればいい、ってもんじゃない。デスクの前に長く座っていても、大した“成果”が出ない場合もあるし、残業ゼロでも“できる奴”もいる。最近は外資系企業などを筆頭に、会社のデスクを減らし、パソコンでテレビ会議、電話は個人の携帯宛てにして経費を削減し、在宅勤務を基本とするところも増えてきた。こうなると、労働時間より成果に焦点があたるのは必然だ。現在、成果で報酬が支払われている従業員は全体の約4分の1、うち約8割がその報酬形態を継続したいと希望していることが、NTTデータ経営研究所(東京)の調査で分かった。
最近、政府は労働時間規制を外し、成果主義に基づき報酬を支払うホワイトカラー・エグゼンプションをアベノミクスの一つの目玉として打ち出しているが、反対意見も少なくない。現在、成果報酬で働いている人を報酬別にみると、300万円以上500万円未満と900万円以上の人が8割。この働き方を続けたい理由は「過重労働になることは少なく、報酬が割に合っている」、「成果が適正に評価され、報酬に反映されている」、「ワーク・ライフ・バランスが実現できている」などだ。逆に少数ではあるが、「継続したくない」と答えた人は「成果が適正に評価され、報酬に反映されていない」ことを理由に挙げた。
もっとも、10年後20年後に求められる社会として、57.0%の従業員が「労働時間によらず、成果・パフォーマンスによって高い報酬が得られる社会」と回答している。政治も経済も社会も、“完全な制度”は不可能。成果を評価する側の“適性”も含めて、どこでバランスをとるかが考えどころだ。