(OVO オーヴォより)

以前に比べて人材の流動化が進む中、退職した会社に“出戻る”ケースも少なくない。実際、エン・ジャパン(東京)が220社を対象に行った調査によると、67%の企業が出戻り社員(再雇用)の受け入れを実施したと答えているのだ。
“出戻り”を受け入れる企業は、規模が大きくなるほど割合が高い。業種別では「流通・小売関連」(87%)、「サービス関連」(81%)などが目立つ。ただ、受け入れた企業でも再雇用制度を設けているところは14%に過ぎず、再雇用するに至ったきっかけは「在籍時の上司からの推薦」(59%)、「在職時の同僚からの推薦」(31%)が上位に挙げられたことから、かつて在職した時に培った“コネ”が重要な要素になるようだ。
出戻り社員を再雇用した理由のトップは「即戦力」! 一から鍛え直す必要がないというメリットは企業にとって大きい。事実、9割が在籍時と同様の職種での再雇用となっている。理由の2番手は「人柄を知っている安心感」だった。また、“出戻り”社員に対して、周りの反応がネガティブなのは1割強にとどまっている。
調査の結果、7割以上の企業が「条件が合えば出戻り社員の再雇用をしたい」としているが、中には「一度気持ちが切れた人は、ポジティブに物事を考えられない」(流通・小売関連)、「退社理由によっては、本人側の問題ありの場合もある」(メーカー関連)といった意見が、少数派ながらあることもお忘れなく…。
いずれにしても、再雇用のきっかけは在職時の人間関係が大きい様子なので、普段から、職場の人間関係は大切にしておくべきなのだろう。