(公財)日本住宅総合センターはこのほど、日本の伝統的な木造住宅に用いられる手法・技法や、現代の住宅への応用等の事例を幅広く紹介する単行本「今に生きる日本の住まいの知恵−わが国の気候・風土・文化に根ざした現代に相応しい住まいづくりに向けて−」(A4判、50ページ)を発行した。
伝統的な木造住宅は、軸組構法を基本とし、和室(畳)、真壁、襖・障子、土壁といった、日本の気候・風土・文化に根ざした技 術・仕様がふんだんに盛り込まれているが、現代の住宅の仕様としては、居室の洋室化や構造の非木造化などが進行しており、従来の伝統的な技術等の継承が課題となっている。
そこで、同センターでは、2011〜12年度に、学識者・有識者で構成する委員会「日本の住まいの知恵に関する検討調査委員会」(主査:小林秀樹千葉大学大学院教授)を設置。国土交通省住宅局住宅生産課木造住宅振興室の協力のもと、伝統的な木造住宅などに用いられている技術・手法や住まい方の合理性に関する調査・検討を実施してきた。本書はその検討内容をとりまとめた一冊。
工務店や住宅メーカー、素材生産者などからの情報発信ツールとして、また住宅の購入やリフォームなどを検討する一般ユーザーの参考として、活用できる内容とした。
価格は本体850円+税。問い合わせは同センターまで(電話03-3264-5901)。