
空気が乾燥する季節になると静電気を感じることが増えてきます。服を脱ぐとき、ドアノブや手すりなどに触れたときなどにバチッとするあの感覚は、誰でも嫌いですよね。
中には、静電気がよく起こる体質だという人もいます。そもそも人によって静電気の起こりやすさに違いはあるのでしょうか? at home VOXが実際のところを調べてみました!
Q.あなたは静電気がよく起こる体質だと思いますか?

自分は「静電気がよく起こる体質」と思っている人は、6割と過半数を超えました。静電気が起こりやすい体質、いわゆる帯電体質とは、具体的にはどんなものなのでしょうか? 静電気に関する研究を行っている独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所の遠藤さんに聞いてみました!
Q.そもそも「帯電」とは何ですか?
遠藤さん「帯電とは、通常はマイナスとプラスの電気を同量ずつ含んでいる物質同士が触れ合うことで、いずれかの電気量が多くなり、静電気を帯びることです。カーペットの上を歩く際や、服を脱ぐときに摩擦が生じることで、静電気が起こるのはこうした理由です」
Q.静電気が生じやすい「帯電体質」という人は存在しますか?
遠藤さん「結論として、『帯電体質』と呼ぶほどの個人差はありません。静電気帯電においては、身につけた靴や衣服の帯電のしやすさが大部分を占めています。例えば、ポリエステル製シャツとウール製セーターの組み合わせは、大きく帯電しやすいです。なぜなら、前者はマイナスの電気、後者はプラスの電気を帯びやすい素材で、『摩擦帯電列』(※)が離れているほど、大きく帯電しやすい傾向にあるためです。こうした帯電物に触れることで、人体も一時的に帯電します。また、皮膚と他の物体(衣服など)の摩擦により生じる静電気に限れば、皮膚の乾燥状態で多少の個人差があらわれることがあるかもしれません」
※摩擦帯電列・・・物質同士に摩擦が生じた際、プラスとマイナスのどちらかに帯電するかを示した表。
Q.静電気が生じると、健康面にはどんな影響を与えますか?
遠藤さん「これまでに行われた研究では、静電気と健康被害に関する関係性には、十分なエビデンスは示されていません。ただ、日常で起こりうる影響としては、『静電気による痛み』『静電気が生じることによる心理的ストレス』『不意の静電気による、転倒などの二次的事故』の3つが挙げられます。これらが1つでも当てはまる人は、身体にたまった電気を逃がす対処をしてみてはいかがでしょうか」
Q.具体的に、どんなことを行えば良いのでしょうか?
遠藤さん「もっとも簡単な方法は、ドアノブやエレベーターのボタンなどの金属に触れる前に、コンクリートの壁など(ガラスは電気抵抗が高すぎるのでNG)に触れること。体にたまった電気をゆっくり逃がすことができるので、その後、金属に触れても、バチッとした痛みは防げると思います」
とくに冬場は乾燥しやすく、静電気が生じやすい季節。静電気でお悩みの人は、ドアノブに触れる前に壁をワンタッチしてみてはいかがでしょうか。また、ハンドクリームでしっかり保湿するなど、乾燥対策を行ってみるとより良いかもしれません。
手軽にできる静電気対策として、さまざまな静電気除去グッズがあります。その中から、at home VOXがいくつかピックアップしてみました!
【静電気除去グッズ】
◼︎pure bristle(KENT)

服の生地を傷めずに、静電気やホコリを取り除く、日本製クロージングブラシ。クローゼットから出し入れする時にさっとブラッシングする習慣を身につければ、静電気除去に加えてお気に入りの服も長持ちして一石二鳥!(税別4,000円)
◼︎スタティックソリューション Classic 60ml(THE LAUNDRESS)

衣服にシュッとふりかけるだけで、摩擦による静電気を防止するスプレー。まるでコスメのようなオシャレなボトルデザインで、携帯用に便利なサイズなので、カバンに入れてもジャマになりません。(税込1,404円)
ブラッシングやスプレーなどちょっとした一手間で、静電気を防止することができます。これでもう静電気に悩まされる生活からはおさらばです!
取材協力:
独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
イラスト:タテノカズヒロ
<アンケート調査概要>
対象/全国20〜59歳の男女516名
調査方法/インターネットリサーチ
調査時期/2017年12月
※アンケート内容の転載にあたりましては、「at home VOX 調べ」もしくは「アットホームボックス調べ」という表記をお使いください。