街のコト

「蔵王」といえば宮城なのか山形なのか? さまざまな観点で比べてみた

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(Jタウンネットより)

宮城県蔵王町の公式マスコット「ざおうさま」を取り入れたご当地ナンバープレートの交付が2015年4月1日から始まった。原動機付自転車が対象で、今月中に登録した人全員に、「ざおうさまキーホルダー(LEDライト付)」がプレゼントされる。

ざおうさまとご当地ナンバープレート(蔵王町公式サイトより)
ざおうさまとご当地ナンバープレート(蔵王町公式サイトより)

このニュースに接した読者の中には、「あれっ、蔵王って山形にあるんじゃないの?」と思った人もいるだろう。
そう思った人、あなたは間違っていない。蔵王連峰は東部の宮城と西部の山形の両県にまたがっているからだ。活火山ということもあり温泉は豊富。宮城側に遠刈田(とおがった)・青根(あおね)・峩々(がが)、山形側に蔵王がそれぞれある。夏から秋はハイキングやドライブ、冬はスキーリゾートとして賑わう。

東北新幹線を利用する人にとっては宮城の方がなじみ深いだろう。蔵王町のお隣白石市には「白石蔵王駅」があるからだ。朝夕を除き1時間に1本しか列車が停車せず、在来線の乗換駅でもないのだが、PR効果は絶大だ。

蔵王連峰の遠景写真は宮城側から映したものが多い。単純に写真映えするからだが、トンネルがあってつまらないと言われる東北新幹線にあって数少ない好スポットでもある。

とどめは蔵王のシンボルの1つ「御釜」。周囲1キロの火山湖で、太陽の光の具合で様々な色に変化する。県境ではなく蔵王町に位置する。

五色岳と御釜(deletioさん撮影、Flickrより)

五色岳と御釜 | Mt. Goshikidake & Lake Okama

樹氷があるのは山形です!

これだけのスポットが宮城に揃っていると、山形の旗色は悪そうに思える。ところが旅行系出版社が出した観光ガイドブック「楽楽東北」の中で蔵王は、山形・米沢・銀山温泉の章に編入されている。観光業界関係者の間では、蔵王=山形なのだろうか。

スキー場としての評価が高いのは山形の方だ。ゲレンデの広さも雪質も宮城より上で、春スキーも楽しめる。なにより樹氷が見られるのは大きい。

蔵王の樹氷(Yuhei Kuratomiさん撮影、Flickrより)

Yamagata Zao

ところで、蔵王の西側は県都山形市に含まれる。地元の蔵王観光協会の公式マスコット「じゅっきーくん」は、王冠を被ってPRに努める。
「ありの〜ままの〜蔵王温泉みせるじゅ〜♪」と歌っている。アナと雪の女王をパロッているのだろう。ざおうさまへの当てつけではないと信じたい。

蔵王温泉スキー場イベントインフォメーションページ(山形市観光協会の公式サイトより)
蔵王温泉スキー場イベントインフォメーションページ(山形市観光協会公式サイトより)

Googleマップに記載された「蔵王山」の場所は…

「蔵王」の商標登録状況を調べた。特許情報プラットフォームで「蔵王」で検索すると11件がヒットする。5件は山形の法人が出願人で、残り6件は宮城の法人。そのうち3件は一般財団法人蔵王酪農センター(蔵王町)が権利を取得している。

そういえばJタウンネットのスタート開始時期、「【募集中】あなたの地元の「ご当地牛乳」を教えてください!」というテーマで募集したとき、一般読者の銀次郎さんが「宮城県産の蔵王山麓牛乳」を投稿してくださった。これこそまさに蔵王酪農センターの商品だ。

蔵王山麓牛乳(銀次郎さん撮影)
蔵王山麓牛乳(銀次郎さん撮影)

蔵王をよく知らない人のために、Googleマップを埋め込もうと検索した。すると……「蔵王山」が宮城県側にばっちり記されていた。調べた限りだと蔵王山という名称のピークは存在しないようだが……Google先生も宮城優勢と判断しているということだろうか。

もっとも同じGoogleでも、「宮城 蔵王」の検索結果が89万件なのに対し、「山形 蔵王」の検索結果は約95万件に達する。両者の勢力は拮抗していると言えそうだ。

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