(Jタウンネットより)
[となりのテレ金ちゃん−テレビ金沢]2016年6月8日放送の「仰天コロンブス」のコーナーで、両替をすることの言い回しについて話題となっていました。
全国的に「1万円札を千円札にくずす」という人が多い中、石川県民は「千円札にこわす」と言う人が多く、15人中8人が「こわす」と言っていました。

このお金、こわしといて!(画像はイメージ)
「くずす」は方言だけれど、結構使われている
47都道府県をすべて調べたところ、「こわす」は、北陸のほかに、九州の一部や群馬にも分布していました。
他には東北地方は「細かくする」、徳島などは「くだく」、兵庫などでは「かえる」と言うところがありました。
方言を研究している金沢大学の加藤教授によると、「こわす」は、北陸3県で使われており、もともとは愛知で使われていたものが、愛知→福井→石川→富山と広まっていきましたが、だんだんと「くずす」に標準化してきているところが多いそうです。
また、北陸の「こわす」と、九州や群馬の「こわす」とは別々に発生していると考えられています。大きなものを小さくするという共通の発想で「こわす」が生まれた偶然は、大いにありえます。
「こわす」は、江戸時代に広まったとされ、1930年の川端康成の浅草日記にも「両替してくれ」の意で「こわしてくれ」という文章が載っています。
そして、「両替する」という意味で辞典にのっているものもあるのです。
方言のようですが、立派に全国でも通用する言葉なのですね。(ライター:りえ160)