原爆から立ち直った広島の街とともに、老舗和菓子「鶴亀もなか」誕生秘話

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(Jタウンネットより)

[Jステーション-広島HOMEテレビ]2015年8月5日放送の「老舗の売れ筋物語」のコーナーで、平和への思いを紡ぐ一品「鶴亀もなか」を紹介していました。

96年も続く和菓子の老舗。のれんには、戦後、心を繋いだマークが伝わっています。60年続く、心の復興を願ったという2代目の和菓子が「鶴亀もなか」です。

香ばしいもなか、そして、滑らかな舌触りのあずき。様々なバランスが、絶妙に織り込まれた和菓子です。特に、程良く甘い餡は、幸せの一瞬が楽しめる味わいです。

創業96年、初代が甘味処として、平和公園の近くで始めました。人情あふれるお店として、出兵する若者も、最後に味わいたいと願うほど愛されたといいます。

しかし、1945年、原爆投下によって、初代とお店を一瞬にして失います。後を継いだのは、戦地から復員した初代の甥でした。初代の遺志を継ぎたいと、和菓子を作り続けました。そして生まれたのが、鶴亀もなかでした。

心の復興の願いが込められた”鶴亀のマーク”

こだわったのは甘さです。合成甘味料ではなく、本当の甘さにこだわった理由は、もなかに刻まれたマークに垣間見ることができます。

鶴という字の辺と作りの間に、亀という字が入っています。復興当時、なかなか前に進めない広島の皆様に、何か喜ばしいお菓子をということで、型に押し込み、広島の方々を勇気づけたいという思いが込められています。

和菓子で、心の復興を手助けしたいという、2代目の平和に対する強い気持ちが鶴亀です。そして、こだわった味わいは、今もお店の人々に受け継がれています。

2代目の思いは代々に受け継がれ、4代目もまた、時代の世相を読み取った和菓子作りをしたいと考えています。今なお紡ぐ、平和への思いです。

原爆投下によって、一度は無くなってしまったお店を、戦後の復興とともに新たに作り上げたという2代目。4代目まで受け継がれる平和への思いが込められた和菓子に、広島の歴史を感じます。(ライター:hauhana)

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