(Jタウンネットより)
[どさんこワイド – 札幌テレビ]2015年7月24日放送の「なるミヤ」では、今、大量発生している『ドクガ』に注意という内容で伝えられました。
『ドクガ』は毒を持った『ガ』なのですが、実は今、北海道で大量発生しています。
『ドクガ』の幼虫が大発生していて、函館市では5月に市民から相談が相次ぎ、札幌市では6月に北区で60代の男性が、庭仕事をしているときにドクガの幼虫に触れてしまい皮膚炎をおこしました。他にもこういった被害があり、札幌市保健所にはこれまでに40件の相談が寄せられているといいます。さらに、道南の北斗市では、海岸近くの草むらに大量発生したため市民の安全を考え、6月21日に予定されていた「海岸線クリーン作戦」というゴミ拾いイベントが中止になりました。
このように私たちの身近な、庭や裏山などで発生しているというのです。
この『ドクガ』というのは正式な名前で、学術名は「チョウ目ドクガ科ドクガ」といいます。
成虫の大きさは2.5センチ〜3.5センチほどで、メスのほうが大きく、日本全土に分布しているそうです。
今、大発生中なのは、この幼虫。では幼虫はどんなものなのかといいますと……。
約4センチで、特徴は、黒とオレンジの筋模様です。ただ、似た模様の幼虫は多いといいます。なので、こういった姿のものをみたら気を付けたほうがよいということでした。
特にタンポポやハマナスを食べるそうなので、そういったものが生えているところには近づかないのが得策です。
針が刺さるとかゆくて寝れない…
実は、この幼虫が危ないといいます。具体的にどこの部分が危ないのかというと……。
毛虫なので、当然表面は毛におおわれているのですが、長い毛は問題ありません。毒を持っているのは、中に埋もれている感じの短い毛、『毒針毛』です。しかもこの『毒針毛』、厄介なことに風にと飛ばされることもあるといい、その抜けた毛に触れても肌に被害が及んでしまいます。
では、この『毒針毛』が肌に触れるとどのようになってしまうのでしょうか。
専門家によると「毒を持っているガのなかでも『ドクガ』は皮膚炎を引き起こす一番悪いガ。触るとドクガの毒針毛がはがれて、皮膚についてそれが刺さる。その毒針毛のなかには、かゆみの成分が含まれていて、刺さったことによりその成分が体内に入り、激しい皮膚炎をおこす」というのです。
その皮膚炎は、基本的には1週間〜10日くらいで治るが、人によっては次の晩は眠れないということもあるといいます。かなり激しくかゆいので、皮膚科で薬を処方してもらったほうがいいそうです。
山は越えられない
一体、この広い北海道のどこで大量発生しているのでしょう?
北海道のなかでもある地域だけで大量発生しているといいます。それは、道南が中心だといいます。もちろん札幌でも発生しているのですが、道東の方では大量発生などの報告はありません。
なぜかというと、標高の低いところに生息しているので、大雪山系から日高山脈を越えられないためというふうにみられているそうです。
そして、大量発生する時期は、数年〜10年単位で、今年はその時期になったようです。しかし、原因については今のところ不明だということでした。
成虫にも注意!触れるな危険!
これから7月〜8月にかけて、ドクガの幼虫は、さなぎになり成虫になるわけですが、この成虫も「メスは幼虫と同じ毒を持っている」のです。
なので、これからの時期は成虫に注意が必要となります。
被害を防ぐには、夜は街灯などの明るい場所へ近づかない、必ず網戸をするなど、やはり特性を知ることが大事だそうです。
しかし、もしも触れてしまったら……。
まずは、水で流しましょう。このとき、決してこすってはいけません。こすると皮膚のなかに針がどんどん入ってしまう可能性があるからです。そして病院へ行きましょう。腫れて、強いかゆみが出るので、自己判断などはせず、病院で診てもらいましょうということでした。
北海道でも夏休みが始まって、うちの子もクワガタとりに行きたーいと。でもこんなニュースを見ると……。連れて行きたくないなと思ってしまった筆者です。(ライター:北海道saki)