(Jタウンネットより)
[ちちんぷいぷい – 毎日放送] 2015年6月15日放送で、「ハリマ王にんにく」について取り上げていました。
兵庫県加西市に「ハリマ王」という名前のにんにくがあります。ハリマ王にんにくの特徴、それは”うも〜て、かろ〜て、くさい!”の三拍子だそうです。最近は匂いが軽減された品種も多くありますが、このにんにくは他とは比べ物にならないくらい辛くてにおいが強烈。クサさが自慢のにんにくはどのように生まれたのでしょうか?
加西市でにんにく栽培が始まったのは昭和初期。兵庫県が肉牛の産地だったことから、肉料理に合う薬味としてにんにくが作られるようになりました。ですが、戦争が起こり食糧難のためにサツマイモを作らないといけないということで、泣く泣くにんにくを竹やぶに捨て、一度は栽培を諦めたそうです。
その後戦争が終結し、ふと竹やぶへ行ってみると、なんとにんにくが一面に生えていたのです。捨てられたことで野生化し、生き延びるために本来の辛さとクサさが際立つにんにくとして復活したのです!
にんにくの独特のにおいの元は、免疫力を高める成分のアリシン。アリシンが多く含まれているのでにおいが強烈になるのです。
火を通すと辛みが甘みに変わって抜群の味に!
ハリマ王にんにくが育てられている畑は土づくりからこだわり、牛フン、鶏フン、牡蠣の殻などから作られた栄養豊富な土を使っています。化学肥料が使われていないので柔らかい土になるそうです。種植えは9月ごろ、一片を土に植えるとそれが種となって春ごろには大きなにんにくとなります。5月末から収穫時期を迎え、10月ごろまでが旬です。収穫したら1か月間天日干しにして、葉の栄養をにんにくにいき渡らせます。
ハリマ王にんにくのとっておきの食べ方は”丸ごとホイル焼き”。火を通すと辛さが爽やかな甘みに変わって、ほくほくの芋のような食感になってとっても美味しいんです。
神戸でミシュラン2つ星に輝く創作和食のお店「割烹 玄斎」の料理長・上野さんもハリマ王にんにくに惚れこんだひとり。「火を入れると化けるんです。香りが上品やし後味がスッキリしている」と語ります。そんな上野さんのオススメはにんにくチップスとすりおろしにんにくを使った作った”にんにく味噌”。そのままご飯にのせても、アレンジしてドレッシングにしても、野菜炒めの調味料にしてもとっても合うそうですよ。(ライター:ツカダ)