(Jタウンネットより)
[どさんこワイド – 札幌テレビ]2015年6月18日放送の道内ニュースでは、以前放送された『放置自転車』問題について反響が大きかったことから、なぜ札幌には放置自転車が多いのかが特集されました。
札幌市東区、地下鉄東豊線栄町の駐輪場。ここの駐輪場は6月にできたばかりで、およそ660台の自転車を停めることができます。これまで栄町駅周辺は、歩道に停めてある自転車『放置自転車』が多いのが悩みの種でした。しかし、この駐輪場ができてから、その問題は解消したようです。
実は、2014年の内閣府の調査によりますと、全国で放置自転車が一番多いのが札幌市。その数なんと、1万2500台。大阪市や東京都内よりも多いという不名誉な記録です。
ではなぜ札幌市では放置自転車が多いのでしょうか?
どうして自転車を放置するの?
札幌市でも特に放置自転車が多いといわれているのが、JR札幌駅西側の高架下付近です。「駐輪禁止」の大きな看板が設置されているのにもかかわらず放置自転車はずらりと列になっています。
こちらでは6月17日、札幌市による放置自転車の撤去が行なわれました。しかし、撤去からわずか2時間後には約40台がズラリと並び、停めていた人は皆「ちょっとだけ……」と言います。
さらに、中央区北2条西5丁目の赤レンガ前では、駐輪場ではないのに、駐輪場のように自転車を並べていく人が多く、歩道に停められた自転車は250台もありました。
駐輪場ではないところに自転車を停めると、全て放置自転車となります。ただ、深刻なのは中心部だけではありません。
地下鉄麻生駅、2番出口近くの公園では、駐輪場の枠をはみ出し、駐輪禁止スペースにも多くの自転車が停まっていました。なかには公園敷地内の芝生に停めていたり、倒れている自転車も。そして、番組の取材中にも自転車を停めていく人がいました。
停めていく人は「いつもならんでいるので、停めてもいいのかという感じにはなっている」「利用者としてはもう少し駐輪場があったらいいなと思う」と言うのです。
実は、麻生駅には2階建ての大きな駐輪場があります。しかしそこもびっしりなのが実状です。なぜなら、麻生駅に乗り入れられる自転車は、1日およそ2535台。これに対し駐輪場は1523台分しかありません。駐輪場が足りない分、放置自転車が増えているのです。
なぜ札幌の駐輪場は少ないのでしょうか?
冬は駐輪場いらないし…
6月に駐輪場が完成し、放置自転車が消えた地下鉄東豊線、栄町駅の2番出口付近ですが、駐輪場の完成までにはかなりの年月がかかりました。地下鉄が開通した後に、駅近くの土地をまとめて購入するのは難しいからです。市の担当者も「地下鉄開業当初から整備していたが、予想以上に需要があった」「札幌においては冬があるので都市計画上、何カ月も使われない交通機関と位置づけが難しかった」と言います。
都心部での駐輪場の整備はさらに難しく、大通駅周辺には、あちらにも、こちらにも放置自転車がありました。
そこで番組では、自転車で走りながら駐車場の実態を調べてみると……。やはりなかなか停める場所がないということが分かりました。大通駅への乗り入れ台数は、約8107台。一方、駐輪場はわずか1215台分しかないのです。
札幌市では、再開発のビル建設に合わせて、大型駐輪場をつくる予定ですが、完成は2年後2017年です。
北海道で有料駐輪場の定着はまだ先になりそう?
なかなか進まない駐輪場対策。その一方で……。
駐輪場はあっても有料だったり、目的地より少し離れているところは敬遠する市民が多いといいます。
自転車は”軽車両”。好き勝手に駐輪できないという意識を持つことが必要といえます。(ライター:北海道saki)